6時半に起きて実家から愛知芸大へ。ひらがな課題の講評会。学生が熱心に取り組んだことが見て取れる佳作が多かった。大学で教えている友人たちと昼食。昔話ではなくこれからの話。

 あたたかな雨がふるなり枯紅葉    茶門

雑談がてら若手スタッフたちに試作フォントの感想を聞いてみる。午後から顧問税理士さんと打ち合わせ。車中でデザインの確認をするため、組み見本を追加作成。英会話のあと名古屋行きの新幹線に乗車即弁当。

昨晩思いついたアイデアを試してみたら、意外にすんなりと良い雰囲気でまとまった。欧文のデザイン確認と漢字のデザイン確認。どちらもいい感じ。

欧米のタイプファンダリーからリリースされた意欲的な試みのフォントを巡って社内のデザイナーと意見を交わす。腰を据えて作ったとしても、完成したフォントの使いどころがなければ実験的なフォントで終わってしまう。腰を据えて作るからには、その谷を越える見通しを立てねばならない。

朝、若手デザイナーに制作中書体のデザインについてアドバイス。ストロークの特徴を絞り込み、この書体で響かせたい音を明快にしたらどうかという話など。目立たない文字があることで、より全体が冴えて見えるはず。

快晴。布団うらおもてたっぷり干す。夕食はタコライス。ヘルシー&おいしい。

実家の押入れに長いあいだ眠っていた思い出の品々を整理する。幼少期から青年期にかけて描いた大量のスケッチや作品のなかから要るものだけ残し、あとはすべて処分することにした。なつかしさとほろにがさで胸がいっぱい。

   ひとはけの雲かろやかに秋の富士    茶門

6時半に起床、8時半すぎ愛知芸大に到着。9時から詩歌ひらがな課題の中間チェック。1年生35人をひとりずつ見て回り、具体的なアドバイスをおくる。ほとんどの学生が、自分で選んだ歌のニュアンスを的確に捉えていた。

完成が近づいている欧文のレビューをおこなう。引き合いの多そうなデザインなので、もういちだん完成度を上げて、安心していろいろなところで使ってもらいたい。試作仮名の資料を作成し、最新ファイルを関係各位と共有する。

各プロジェクトの進捗報告に目を通し、コメントを書いてフィードバック。細かな点は口頭でやりとりをおこなう。午後から仮名のブラッシュアップ。制作に集中するのは二週間ぶりだが、感覚はすぐに戻った。

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