気持ちの良い接客をしてくれた店員さんに仕事を聞かれたので、近くにあったポスターに使われていたAXIS Fontを指して、この文字うちでつくりました、と言ったら会話が終了した。聞かなきゃよかったオーラと、言わなきゃよかったオーラが入り交じるなか、そそくさと勘定をすませて店を出た。われわれはこういう状況こそ変えていかなければならないのだ。
散髪屋に寄ってから書体仕事。小料理屋で結婚記念日を祝う。ひさしぶりに日本酒を飲んだらおなかをこわした。すっかり弱くなったもんだ。
『MdN』漫画タイポグラフィ表現論の号で、動的タイポグラフィが広く普及しないのはなぜだろうという問いに、「文字にはじっとしていてほしいんですかね」と自答した。あれからつらつら考えて思い当たるのは、基本的に読むという行為の主体は読み手だということである。そして、思考自体が動き回るものだということ。実際のところ、文字を主体とし、受け手が思考を働かせなくてもよい状況では、動的なタイポグラフィはひとつの表現として受け入れられているように見える。実際そのような空間で文字はよく動いている。これは皮肉とか批判的な言辞ではなく、文字の役割について考える手がかりとしてここに書きおいた。動的な文字が、静的な文字とは異なる思考方法を促すことはじゅうぶんにあり得るだろうと私は考えている。
仮名のデザインをすこしずつ磨き上げる。関係者が納得できるものにしたいし、この調子でいけばいいものができるはず。夕方から社内でプレゼンの読み合わせ。このシチュエーション、いつもより緊張するなあ。
今週大きな山をひとつ越えたことで、次の沢が流れはじめた。午前中は漢字制作を進め、昼からひらがなのブラッシュアップに集中。夕方になってシミュレーション用ツールに進展あり。求めている機能拡張が実装されれば、仮止めになっているいくつかのアイデアを試せそうだ。
午前中に仮名デザインの比較資料をまとめ、カップ麺を食べながら内容を確認する。午後からプレゼンの原稿を推敲し、夕方からプロジェクタを使ってのリハーサル。面白いかどうかは別として、分かりやすさという点では完成度が上がってきたと思う。まずは真面目に、そしてメリハリをつけること。
仮名のブラッシュアップを一気に進めた三連休。これで明日からの作業負担とプレッシャーがかなり軽減されるはずだ。腰の痛みは一進一退という感じだが、密度の高い書体仕事ができたことがうれしい。
手直しする仮名の数を大幅に拡大して、全体的にほんのわずか丸い印象を強める方向へもっていく。設計上のある一点を変更するだけでタイプフェイスの性質が変わってしまうことがあるため、慎重に作業を進める。組み上がりの表情があまり変わらない範囲で、確実に書体の品質を上げることを心がける。
午後からひらがなの制作に入る。作業を進めるにつれて集中度が増し、実のある仕事をすることができた。夜はエビスビールと手羽先の唐揚げ。
プレゼン資料の改善作業と原稿起こし。まとまったところで簡単なリハーサルをおこなう。余分なものを削ぎ落し、スライドやフレーズを並べ替え、聞く人に重要なメッセージが届くよう全体の流れを整える。あと二回くらいは練り直すチャンスがありそうだ。