ゆで時間の異なる麺を一緒に入れてしまい、かたさと色がまちまちなパスタが出来上がった。美味しさが増した、わけはない。半角仮名の調整と別バージョンの仮名づくり。

きょうの冷え込みで腰をぐきっとやってしまった。薬湯につかって治癒をこころみる。ルクレティウスをつまみ読み。

建設的な家族会議を終えて、自宅で韓国風すき焼。スモークタンとたまねぎのマリネ、炒った銀杏を前菜にビールを飲む。『分子生物学入門』とバシュラールの『水と夢』読了。イメージトレーニングにはもってこい。

半角かなのデザインチェックと修正。グッドデザイン賞の授賞祝賀会で午後から六本木へ。賞状を受け取り、撮影をしてもらって帰社。ふたたび半角かなのデザイン修正。

開発中のひらがなをベースに脈絡を切ったバージョンを試作する。脈絡がつながっていることで安定している仮名から脈絡を取り去って、自然な形態に落ち着かせるのはけっこう難しい。午後からWeb関連のミーティング。

若手と中堅チームが製作しているフォントの出来映えをスクーリン上で確認する。書体ごとに錯視の起こりかたが異なるのが興味深い。ここで得た知見を次の書体に活かせれば、開発面での収穫は少なくない。デザインの新規性ではなく、潜在的な需要にどう働きかけるかが販売面での課題。

仮名のブラッシュアップを進める。寄り引きと並びの微調整(縦優先か横優先かで変わる)。黒みと大きさの微調整(垂直画と傾斜画では太さの見え方が異なる)。半濁点の大きさ調整(「ぺ」の半濁点は相対的に小さく見える)。このあたりの調整は錯視的な領域に属する。比喩的に言えば、触覚的な視覚で違和感を捉え、かんなで凹凸を平らにならし、やすりで表面を滑らかにする作業に近い。ひたすら「ここち」を良くすることを目指す。

来週のレクチャーに備え、都市フォントのスライドを準備する。濱明朝、金シャチフォント、東京シティフォントの三つを並べ、都市のアイデンティティをどのように書体デザインに結びつけたかを解説するつもり。

いま作っている書体については書きたいことがたくさんある。興味をもって読んでもらうためにはどう書けばいいのか。書体を作りながら腑に落ちたことをうまく言葉で伝えたい。

サンプルフォントで書体の仕様と仮名のデザインをあらためて見直す。拙速に走らず、ここは吟味熟考が大事なところ。夜は酢豚とカツオのたたき。

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