治療をしているあいだに別のところに異常が見つかって、じわじわと治療期間が伸びるという予想どおりの展開である。きょうの麻酔は抜群に効いたようで、唇と鼻の左側の感覚がない。三時になってようやく昼食にありつく。
先日藤本壮介さんの講演会に行ってきた。500席あるイイノホールは満員で、この建築家に対する注目度の高さが伺える。伝わりやすさと謎めいた部分が同居する建築の魅力について語る藤本さんのことばの豊かさに聞き入った。「当たり前のことを新たに一歩押し進めて再定義できたときが建築家にとってもっともエキサイティング」という締めのひと言に共感を覚える。
先週から4年生がもうひとり加わって、担当する1年生のクラス27人と参加を申し出た4年生3人の、合わせて30名で授業を進めることになった。さらにまた今日になって突然、中国から研究員として武蔵美に来ている先生が、何週間か見学で参加することになり、もはや机と椅子が足りない状態である。こういう流れは嫌いじゃないけど、すこし早めにお知らせ願いたい。
次期書体の初回プレゼンは好感触。おもしろい展開になりそう。時間をかけて育てていきたいプロジェクトだ。帰りに寄ったTDC展は、ギャラリーツアーにかち合ってしまい、一階の展示は半分くらいしか観れなかった。そのあと日本橋まで足を伸ばし、街なかを散策する。会社に戻ってもろもろ打ち合わせ。
近所のコメダ珈琲で弟とモーニング。小倉を追加してトーストをほおばる。そういえば、先日愛知芸大の学生たちと話をしていておどろいたのは、私が学生のころ使っていた名古屋弁の多くがすでに失われていたことだ。この調子でいくと、二十年後には名古屋弁のかなりの部分が過去のものになっている可能性が高い。じわじわと東京に進出しているコメダに、ネイティブな名古屋弁をセットにして振るまって頂きたいところである。
体調を鑑みて昨晩も酒を自粛したのだが、喉から出血があってひやりとする。打ち合わせの予定を変更して、鶴舞と上前津で都市フォント関係の資料を渉猟したあと実家に戻る。
朝ひと仕事してから名古屋へ。トヨタ博物館の食堂で愛知芸大の先生たちと昼食。午後から愛知芸大3年生と中国の研究生を対象に、じっくり時間をかけてレクチャーを行なう。続けて書体課題の中間チェックを二時間ほど。17時半ごろ授業を終えて、プロダクト専攻の学生および先生たちと夕食。
代官山T-SITEのガーデンギャラリーで、TP明朝フィットフォントの記者発表。前回ほど緊張はしなかったが、新たな出発点として感慨は深い。個別取材を終えて、19時からトークイベント「フォントをデザインする人、フォントでデザインする人」。予想以上の盛況ぶりで何より。打ち上げではアルコールも口にせず放心状態。
プロジェクタを使って新たな開発計画の概要を説明する。試作書体の図版制作を若手に任せ、諸々の準備を進める。これをPDFのスライドにまとめて、先方のチームに来週プレゼンするという段取り。まずはデザインの方向性を共有できればと思う。夕方新橋に出かけ、都市フォントがらみの懇親会に出席し、20時ごろ仕事場に戻って資料の最終チェック。
武蔵美で40分ていどのレクチャーを続けてふたつ行なう。漢字書体の変遷と書体デザインついて。10分の休憩を入れたあと、生徒が書いた筆文字を各自の素材として、主要アプリの基本的な使い方を説明しながら作品制作へと導く。1年生最初の授業であるため、何から何まで教えなければならない大変さは例年どおりで、午前中の出し尽くした感が半端でない。14時ごろ会社に戻ってプレゼンの予行演習と定例ミーティング。合間に書体デザインの確認とディレクション。