なんとか年度内に全員の個人面談を終えることができた。束の間の安堵。次の段階に向けて、明日からまた大事な一年が始まるのだなと思ったとたん、またいつもの緊張感と高揚感がじわじわと押し寄せてきた。

打ち合わせと定例ミーティングと個人面談でほぼ終日。昼に鶏の唐揚げをがっつり食べておいて良かった。難所要所を避けていては目標の達成はおぼつかない。

石神井川沿いの桜はほぼ満開。ふだん人通りの少ない細道もきょうはにぎやかだ。妻子それぞれ別の用事で外出したため、味噌ラーメンをつくり、大学から届いていた新年度の資料に目を通す。

歯の治療を土曜日に変更してしばらく通うことにした。まとめて治そうと思ったのは、治療技術のおかげで昔と比べて痛くないし、治療費も安くなったから。さらに、マスクをしている歯科衛生士の皆さんが全員可愛いという設定を行なったので、苦痛に堪える準備も万端である。

ついに明日は『アルドノア・ゼロ』の最終回。期待感と淋しさが徐々に増してくる。TP明朝がちょうど世の中に姿を現しはじめたころに放送が開始し、印象的な場面でTP明朝を活用して頂いたこともあって、王道ロボットアニメを楽しむと同時に伴走者のような気分も感じていた。

アルドノア×TP明朝の立役者である有馬さんと瀬島さんからは、尋常でない思い入れの大切さについて学んだ。二人の献身が『アルドノア・ゼロ』の細部に輝きをもたらした理由のひとつであることは間違いない。愛すべき対象を仕事にするか、仕事を愛すべき対象にするために力を尽くすか。彼らは身を挺してそのことを示してきた。

追記:『CUT』であおきえい監督のインタビューを読んだ。新たに立ち上げた会社の命運をかけて『アルドノア・ゼロ』の製作にあたったことを知りさらに共感が高まった。これをものにしなければ次がない。開発に5年を費やしたTP明朝も、まさしくその気持ちで臨んだ書体開発だった。最終回を前に思う。物語とともにある文字は幸せだ。感謝です。

中目黒の某デザインオフィスで打ち合わせ。エッジの利いた仕事からは想像できない、柔らかな物腰の方だった。きょうの主題に興味を示してもらえてまずは何よりである。これから内容をもう少し詰めて当日のイベントに備えたい。

フォント生成マシンがお釈迦になったため、こんどはiMacの最高速機を導入することにした。主にサーバ用途なのにRetinaはもったいない気がするが、パフォーマンス重視のインフラ整備と考えれば、ここはコストをかけるべき部分である。

昨年来取り組んできた重要なプロジェクトのデザインに承認が下りた。さりげない改善にとどまるものの、新しい時代のフォントに生まれ変わるはずだ。そのわずかな改善は、長い目でみれば累積的な効果につながり、広い範囲で一定以上の意味を持つことになるだろう。まだ計画が終わったわけではないが、試行錯誤した甲斐を感じられる日を今から心待ちにしている。

新人がデザインチェック時に持ってくる漢字の品質が安定してきた。書体の勘どころをつかみ始めているのだろう。制作ペースも悪くない。新人の成長は、次の展開に向けての安心材料であり、次の段階に入るための必要条件でもある。会社として成長するためには、一時的な突破力だけではなく、組織の層を厚くして、持続的な構築力を磨かなければならない。

うぐいすの遠音を聴きつつ朝食をとる。昼は蕎麦。陽の射す場所に椅子を移動させながら本を読む。穏やかな一日。

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