「宣伝会議」主催『シビックプライド2』の出版記念セミナーで、都市フォントと東京のアイデンティティについて講演を行なった。そのあと伊藤香織さんの進行で太田浩史さんとパネルディスカッション。懇親会も盛況でなによりだった。

いい話、おもしろい話はあっても、大きい話をきちんとまとめるのは本当にむずかしい。価格感、商習慣、ライセンスの落としどころなど、海外との交渉はひとすじなわではいかない。漢字制作を半日、夕方から長めのミーティング。

漢字制作を終日。一日あたり何文字できるか計測する。エンジニアのサポートで良い準備はできた。しかし、高い品質を実現するには手作業による錬磨が欠かせない。体調が今ひとつとはいえ、思うようにペースが上がらずもどかしい。

気の赴くままペンを走らせて書体スケッチ。文字の形がぴたりと決まったように感じるときはたいてい古典の姿が背後に見え隠れしている。体力と気力が下降気味なので体幹トレーニングで回復をもくろむ。

きのうから頭痛が治まらず、午後の外出をやめて漢字制作。頭の痛みよりも雑念のせいで作業はあまりはかどらなかった。夕方すこし早めに上がってお好み焼きをつくる。桜えびの香ばしさが引き立つ和風の味付け。

武蔵美1年生タイポグラフィ最終日、書体課題の講評会。遅刻と欠席が例年になく多く、大学との関わりかたについて考えさせられる一年であった。仕事場にもどって漢字制作。終日雨。

シビックプライドの講演会のために作成したPDFの後半部をほぼ別のスライドに作り変えた。海外の事例を盛り込むなどして写真を新たに撮り下ろし、より会の主旨に沿った内容に変更したのは、講演会の後に予定されているパネルディスカッションが建設的に展開されるだろうと考えたから。

東京快晴。石神井川の水面が輝く。シビックプライドを考察するのにふさわしい日和である。そよ風に金木犀が香る。

泥沼にある東京の残暑かな    茶門

渋滞でバスが来ないので、日光東照宮から神橋を経て、日光駅まで30分ほどの道のりを歩く。道々にある古い店の看板やのれんなど、風情のある文字に出会えたのはもっけの幸い。いろは坂をくだっているときにも思ったのだが、歩きたくなる道とそれを支える茶屋を本気でつくったら人はもっと歩くのではないか、そうであってこそ、寺や滝がありがたい場所に感じられるはずではないかと。

中禅寺湖畔のホテルを去り、いろは坂をくだって日光東照宮へ。今年は家康薨去400年ということもあって大勢の観光客でにぎわっていた。華やかな彫刻の数々はたしかに見ものだが、いたるところに売らんかなの気配が満ちていて、さすがにげんなりさせられた。世界遺産より奥日光のほうがあきらかに格上である。

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