明後日から始まる武蔵美の後期授業の準備。漢字制作を半日、自宅でテキストの加筆修正をおこなう。夏休みはなくても宿題はある。たいしたボリュームではないけれど。

タイププロジェクトの存在意義について語った草稿をじっくり読み直す。心底そう思えるか、実際そのように動いてきたか、自分自身に問いかける。容赦ない振り返りは、将来のありようをも炙り出す。

17時に漢字制作を切り上げて、東京ミッドタウンのデザインハブへ向かう。武蔵美の全体会議に出席。タイププロジェクトの仕事を紹介する機会を与えられていたので、AXIS Fontと金シャチフォントとTP明朝に関する概要説明をおこなった。異分野の先生に向けて作ったPDFがクリーンヒットしたようで、協業のお誘いをいただけたのは望外の出来事である。

写研の『文字に生きる』を読む。写植機というハードと書体というソフトが足並みを揃え、社会の要請に応えていくさまが見てとれる。1950年代から70年代にかけて飛躍をとげた頃の写研は、先見性や計画性よりも時代の変化に適応する能力に優れていたと考えられる。時代背景と技術的な必然性をともなって新しい書体が生み出されていた点も興味深い。

記事起こしの素材として、タイププロジェクトの来し方について二時間ほど語る。書体開発会社としての存在意義と使命について考える良い機会になった。午後から別プロジェクトの方針確認とデザインチェック。半日漢字制作。

朝の早い時間帯に厄介な漢字群をつくり終え、その勢いに乗って快調に制作を進める。一週間分の制作済み文字ファイルの保存時刻を見てみると、生産性の高い時間帯とそうでない時間帯があることが分かる。このはかどる時間帯に集中して制作にあたれば、書体制作期間を確実に短縮することができる。

ワールドグランプリで日本女子バレーが銀メダル。卓球といいバレーといい、圧倒的な強さを誇る世界王者に破れはしたものの、堂々たる戦いっぷりは鳥肌もの。卓球とバレー、全日本の女子チームに共通して感じるのは、戦術に対する柔軟性とコミュニケーション能力・プレッシャー耐性の高さである。日本男子が苦戦しているのは体力の問題だけではないだろう。

書体開発会社としてのタイププロジェクト、フォントベンダーとしてのタイププロジェクトのあり方について考える。昼夜とも会社で自炊。漢字制作と書体スケッチ少々。

書体と社会をテーマに調べもの。堅めの本を何冊か引っ張り出して目を通す。つまるところ自分が得心できることばで語るしかないのだけど。冷や麦を仕事場でつくって食べる。漢字制作少々。

タコとオクラの冷製パスタを食べてから、銀座で取材。飛び出した名言をうまく活かしたい。オフィスに戻ってふたたび漢字制作。術後の薬をすべて飲みきって、うれしいような不安なような。

NEXT >>