目の検査。瞳孔を開く目薬が効き始めるまでに昼食をすませる。まぐろの梅しそフライと五穀米。検査のあと瞳孔が開いたまま漢字制作に復帰。ソフトフォーカスなので概形のバランスに集中できる。
金シャチフォント試作欧文のディレクション。筆書系の欧文で手本になるようなものがなく、手探り状態が続く。きょうも昼食に出そびれ、スープパスタを食べながら各種資料を眺める。
できた漢字の一群をPDFで書き出し、モニタに表示して修正箇所を特定する。デザイン修正をかけて品質が整ったら出力してファイリング。印刷物に赤を入れる工程がなくても品質を担保できるか実験中。
ピョンチャン五輪閉幕。今大会はパシュートをはじめいろいろな競技を楽しませてもらった。卓球チームワールドカップは決勝で中国に負けて銀メダル。世界ランキング女子のベスト10に日本人選手が三人いるのは驚きだが、ベテラン丁寧がこの高速卓球に対応しているのは驚異である。
昼まえに上野に到着。東京国立博物館のベンチでやきそばを食べてから『呉昌碩とその時代』展を観る。そのあと書道博物館に移動してふたたび呉昌碩の書画を楽しむ。書道好きにはこの連携企画はたまらない。
仕事を早めに切り上げて六本木へ。AXISビルで武蔵美の卒業制作を見たあと先生方の集まりに参加。2階のビブリオフィルでまさかのオトル・アイヒャー『Typographie』が置いあったので迷わず購入した。田畑さんとばったりお会いできたのもアイヒャーの導きか。
漢字制作を進めながらこの書体特有の骨格感を養っていく。実作業に入るまでは少し腰が引けていたが、二週間ほどで感覚がなじんできた。
世界で最も美しい本コンクール(コンビネーション編)
『世界のブックデザイン2016-2017』から、フォントの組み合わせに関するメモです。
Gotham & Scala
Seria & Ideal Sans
Ashbury & Akkurat
Franklin Gothic & Caslon
Akzidenz Grotesk & Lyon
Clifford & Odense
Marr Sans & Publico
Portrait & Circular
Jannon & Avenir
Tabac & Gloriola
Kunda & Rasmus
Replica & Archive
Comenia & Katarine
Academia & Trivia
Tyfa & F Grotesk
当たり前といえば当たり前ですが、セリフとサンセリフ(ローマン体とグロテスク体)の組み合わせが圧倒的に多い。こうした一対で使用される書体のそれぞれを、私は「随伴書体」と呼んでいます。明朝体とゴシック体は、典型的な随伴関係にある書体ペアですが、互いを必要し合うという意味では補完関係にあるともいえます。
面白いのは、随伴を続ける過程で主副が逆転する現象です。最初は先行する書体が主(本文/テキスト)の役割を果たし、後発書体が副(見出し/ディスプレイ)の役目を担うのは物事の順序からいって当然ですが、表記媒体が変わると役割が逆転することがあります。1970年代にゴシック体が見出しから本文へと進出し、いまスクリーン上で主軸書体になっているという事象は、現在進行形の出来事です。石碑にみる篆書(題字)と隷書・楷書(本文)の関係は、その先行事例といえるでしょう。
フォントの組み合わせについて参考になる本:
・『TYPE TEAM Perfect typeface combinations』
・『定番フォントガイドブック』グラフィック社
後半30ページほどが和文と欧文のマッチング例に当てられている。
フォントの組み合わせと調整をシミュレートできるサイト:
・フィットフォント
海外のタイプファウンドリー(Commercial Type, Production Type, Monotype, Linotype)の欧文フォントとタイププロジェクトのフォントを組み合わせて、書体の各属性を調整することができる。下は、Commercial TypeのPublicoにTP明朝のウエイトとコントラストをフィットさせた例。組み合わせたフォントの購入も可。ぜひサイトで試してほしい。
昼はたいてい麺でこと足りるのだが今日は無性に白い飯が食べたくなり、鳥よしでハンバーグ定食を注文した。満足。終日漢字制作。
新橋方面で打ち合わせ。とても素敵な提案を見せてもらった。うまく話がまとまることを切に願う。クリエイションギャラリーG8で『グラフィズムの断章』展をみてオフィスに戻る。