外部の協力者の後押しによってふたたび動き出しそうなプロジェクトの書体スケッチ。この書体の場合、細部の処理が筆画の流れに与える影響が小さくないため、起筆と終筆のあり方から念入りに検討する必要があるだろう。
Drop&Typeと濱明朝が最初の里程標を越えたので、気分転換をかねて頭を短く刈り込んできた。この先またいくつものマイルストーンを自分たちの手で置き、ひとつずつ越えていかなければならない。
国内で日本語フォントの知的財産権を保護する声が高まる一方、海外からは、フォントの権利すべてを譲渡すると共に、価格の低廉化および納期の短縮化を求める声が少なくない。我々は作業効率を上げるなど、開発費を下げる努力をしなければいけないし、ひるがえって言えば、海外の発注元や中間業者には日本語フォントの内実についてもっと理解を深めてもらいたいと願っている。両者のへだたりが簡単に解消するとは思えないが、理解の溝を埋める労を惜しんだ結果として、低価格・短納期の流れができてしまえば、書体品質の低下という事態はまぬがれえないだろう。加えて恐るべきは、その責任の重さとトラブルの後始末である。
進行中プロジェクトの漢字制作に復帰。思ったよりスムーズに感覚を取り戻すことができた。新人デザイナーが描いたアウトラインに赤を入れ、修正点を細かく指示する。吉祥寺にて新入社員の歓迎会。
予約した本を受けとったあと郵便局へ。合かぎをつくっているあいだにタイヤに空気を入れ、新入生と桜を眺めつつラーメン屋に入る。となりに座ったご老人の生ビールの飲みっぷりがすばらしい。
アンカーポイントの数とその位置、アームの出し方とその比率など、ベクタ形式による描画の基本的な部分を工夫することでまだまだ面白いことができそうだ。今週の作業でそんなことを感じている。
内製用のツールとして開発し改善を続けてきたDrop&Typeの使い勝手をさらに向上させて、本日製品版をリリースした。社内では、試作フォントを簡易的に生成するツールとして活用してきた実績がある。リリースにあたっては、機能を最小限に絞り込み、どこまでUIをシンプルにできるかを問うた。
石神井川の桜があまりに美しいので、用事をひとつスルーして花見気分を味わうことにした。小型の卓と椅子を持参して腰掛ける中国人グループと、地べたに座る日本人グループ。むろん食べ物も異なる。北京ではそろそろ柳絮の舞う季節だろうか。文化のみなもとは景物にあり。
外部案件の平仮名デザイン、二通りの試作がおおむね完成した。ここから先は依頼者の意見を取り入れながら改訂していくことになるだろう。昼は自宅でふわとろたこ焼き、夜は手羽唐。
書体デザイナーとして新入社員が一名入社した。きょうは初日のレクチャー二つとネットワーク関連の設定。残りの時間でアウトラインの整形作業をやらせてみる。夕方から武蔵美の全体会議で新宿へ。