スケジュールに関する打ち合わせ。進行中プロジェクトを中心に、保留にしていた案件と次の展開に必要な取り組みを俎上にあげて、優先順位と人員構成を考える。その過程でいくつかの課題が浮き彫りになった。半日書体制作。

良い感じでグループワークが機能し始めてきた。悶え苦しんだ時期が長かっただけに、静かに深く喜びをもってこの流れを受けとめている。7月には組織のギアをもう一段上げて、開発中の書体を仕上げていきたい。淡々としながらも、沸々たるものを内に秘め。

TP明朝が完成したら色んな人に会って食事したいなと思っていたのだが、ひと息入れる間もなく次の書体に没入し、良いリズムを崩したくないという手前勝手な理由から、おそろしく非社交的な毎日を送っている。終日書体制作、および書体デザイン指南。

好調時に使用頻度の高い漢字をしっかりつくっておく。たとえば「十六世紀」「百万個」のように画数差が大きい漢字を組み合わせ、文字の大きさや太さにばらつきが出ないよう確認しながら制作を進める。フォント開発のスケジュールと次期プランについて打ち合わせ。価格表のたたき台づくりなど。

8時ごろから漢字をつくりはじめ、9時半から長めの打ち合わせに入る。午後からふたたび漢字制作。新人がつくった漢字に修正の指示を二三度出し、最後にのこった何文字かは私が修正しているところを後ろで見てもらって、書体のニュアンスと勘どころを共有する。

ざるそば食べて漢字つくって神田へ向かう。滝口正哉さんのトークイベント「千社札 Night」。講演会のお題を聞いてから「Somebody’s Night (永ちゃん)」が脳内リフレインしている。イベント会場では、フォント界のSweet Lady ワカ&タカにお会いした。

整体で骨盤の歪みをとってきて体調は万全。半日読書、半日漢字制作。昼は粗食、夜はビーフシチュー。

スクーさんの授業に寄せられた質問のなかに「明朝体でCondensedタイプは難しいのでしょうか」という問いかけがあり、ちょっと考え込んだ。コンデンスの明朝体を作ること自体はそれほど難しくないはずだが、ほんのすこし明朝体に長体をかけただけでひどく違和感を感じるのはなぜだろう。簡単な考察から導き出した答えは、「筆の名残りをとどめている明朝体は、極度に様式化されているとはいえ、筆の勢いと抑揚を基盤に成立している。左右の幅が狭いCondensedでは、その勢いを活かすスペースが限られるため、明朝体の良さを出しにくい」というもの。これを延長していえば、書体の持ち味を活かす方向への変形は成立しても、その逆は、たとえ微細な変形でも書体の良さを削いでしまう。「 正方形の明朝体」が視覚的なデフォルトになっている影響は、おそらくもっと大きい。

分担と連携。これがうまくいっているチームは話が早いしストレスも少ない。手作業と自動処理。これをうまく使い分ければ、品質と速度の両面でプロジェクトに資するところは非常に大きい。きょうは複数のミーティングを通じて、計画を実施するための知恵を出し合った。なにがボトルネックになっているのかを探り当て、着実に解決していくほかないだろう。

書体の展開に関するブレスト。方向性については計画通り。次の段取りに移れるよう落としどころを探る。昼から試作仮名のデザイン確認。機能性を重視した前バージョンから、より実用に適した仕様に変更した。自然な読み心地という点では改訂版のほうがあきらかに良い。

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