息子の帰りを待ちきれず、山菜の天ぷらとピリ辛の手羽先唐揚げでエビスビールを飲み始める。21時半ごろ部活から戻った息子と、こんどは手羽唐を甘辛いタレにひたしてご飯をかき込む。半日漢字制作。

恵比寿ガーデンプレイスで、モノタイプ社によるセミナー「多言語の書体デザインとタイポグラフィ」。平井さんの英語がハンサム。セミナー終了後、若い人らと連れ立って、上海食堂で紹興酒を飲みながら書体談義てんこ盛り。

漢字を少し作ってから打ち合わせに出かけ、淡白すぎる参鶏湯を食べて会社に戻る。午後から初顔合わせの打ち合わせで書体デザインの周辺について話す。濃厚すぎて消化不良にならなかったかちょっと心配。夕方から各プロジェクトの懸念点について意見交換をおこなう。

おろしトンカツを食べながら、変形による歪みを補正するアルゴリズムの話など。あすの打ち合わせのために簡単な資料をつくっておく。終日漢字制作。

午前中は武蔵美で課題チェック。習作を見せてもらって、これが良くなりそうだねという声がけと助言を行なう。14時ごろ会社に戻り、漢字制作に集中。

腰を落ち着けて読みたかった『アイデア』364号をようやく手に取る。清原悦志さんの端正な仕事ぶりは、氏が手がけた本を実際に見るほかないが、ページの余白と行間の美しさは図版からも伝わってくる。包むをテーマに日本各地で収集を続けた岡秀行の元で仕事をしていたことや、青年時代に俳人原石鼎の家に下宿をしていた詩人北園克衛を通じて、清原悦志氏の深いところに上質な日本が流れていたのではないかと私は想像している。原理的なアプローチだけではあの佇まいは生まれないだろう。

一点一画を積み重ねてひとつの漢字をつくり、数千の漢字を束ねてひとつの書体をつくりあげる。書体には運動の痕跡と時間の堆積が凝縮する。しかしいつも不思議に思うのは、まぎれもなく自分を通して現れた文字のかたちであるにも関わらず、良くできた文字は、もともとそこにあって当然のような顔をしている。半日漢字制作。

蕎麦を食べてから仕事場へ。漢字制作少々、仮名の試作と読書など。ストレッチをして身体をほぐす。

ゴールデンウイーク中に進める予定だった仕事が延期になり、肩すかし気味の状態で進行中プロジェクトの漢字をつくる。今年の夏こそちゃんと休暇を取るでよ。

記号類のデザインを担当しているデザイナーが熱心に関連書籍を見ている。資料として買っておいた本が、進行中のプロジェクトで役に立てば何よりだ。午後からリーフレットの色校打ち合わせ。漢字制作と新人のデザインチェック。

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