世界で最も美しい本コンクール(コンビネーション編)
『世界のブックデザイン2016-2017』から、フォントの組み合わせに関するメモです。
Gotham & Scala
Seria & Ideal Sans
Ashbury & Akkurat
Franklin Gothic & Caslon
Akzidenz Grotesk & Lyon
Clifford & Odense
Marr Sans & Publico
Portrait & Circular
Jannon & Avenir
Tabac & Gloriola
Kunda & Rasmus
Replica & Archive
Comenia & Katarine
Academia & Trivia
Tyfa & F Grotesk
当たり前といえば当たり前ですが、セリフとサンセリフ(ローマン体とグロテスク体)の組み合わせが圧倒的に多い。こうした一対で使用される書体のそれぞれを、私は「随伴書体」と呼んでいます。明朝体とゴシック体は、典型的な随伴関係にある書体ペアですが、互いを必要し合うという意味では補完関係にあるともいえます。
面白いのは、随伴を続ける過程で主副が逆転する現象です。最初は先行する書体が主(本文/テキスト)の役割を果たし、後発書体が副(見出し/ディスプレイ)の役目を担うのは物事の順序からいって当然ですが、表記媒体が変わると役割が逆転することがあります。1970年代にゴシック体が見出しから本文へと進出し、いまスクリーン上で主軸書体になっているという事象は、現在進行形の出来事です。石碑にみる篆書(題字)と隷書・楷書(本文)の関係は、その先行事例といえるでしょう。
フォントの組み合わせについて参考になる本:
・『TYPE TEAM Perfect typeface combinations』
・『定番フォントガイドブック』グラフィック社
後半30ページほどが和文と欧文のマッチング例に当てられている。
フォントの組み合わせと調整をシミュレートできるサイト:
・フィットフォント
海外のタイプファウンドリー(Commercial Type, Production Type, Monotype, Linotype)の欧文フォントとタイププロジェクトのフォントを組み合わせて、書体の各属性を調整することができる。下は、Commercial TypeのPublicoにTP明朝のウエイトとコントラストをフィットさせた例。組み合わせたフォントの購入も可。ぜひサイトで試してほしい。