成人の日。藤森照信『日本の近代建築(下)』を再読。新書とは思えない充実した内容。読み物としても面白い。次に読み始めた『日本のきもの』の冒頭に、フェノロサの次のような言葉が掲げてあった。「すべての誤りは歴史を知らざるより生ず」。すぐれた通史は本当に大事。妻と息子がつくった肉まんとあんまんを食べる。
菅付雅信『物欲なき世界』と飯島洋一『「らしい」建築批判』を読む。あいまいな現状にさまざまな手がかりを示してくれる好著。グラフィックデザインの混迷は、勝見勝以降まっとうな語り手がいないことも原因のひとつではあるだろう。
トムヤムクンヌードルを食べてから書体制作。日が暮れるまえに息子と近所のサミットで買い出しをして、カルビ野菜炒めとスープとサラダをつくって早めの夕食。食後にモンブラン・プリンを半分こ。コストと味とボリュームのバランスに大満足。
うちのフォントじゃないとできないことがいろいろあるはずなんだけど、それを分かりやすく具体的に伝える方法を考えないといけないな。軸と分類、その応用について。
午前中は漢字のブラッシュアップ。午後から、追加対応の要望があった試作フォントの展開をおこなう。所与の条件に難があるため、デザインで解決できる部分は大きくないが、きびしい制約のなかで最大限よいものにしたいと思う。
大量にプリントアウトした印字サンプルに赤を入れ、終日デザイン修正。ことし初の鳥よしは揚げ鶏のタルタルソース。日替わり定食の選択肢が三つに減ったのはすこし寂しいが、厨房の格闘ぶりを考えれば致し方ない。
「ひ」と「ゆ」のデザインを変更した。抑揚のつけかたを変えたことで、気になっていた「落ち着かなさ」を解消できたように思う。良い見本の少ない書体カテゴリーで、見ための違和感を抑えるには、触覚的な視感覚をたよりに試行錯誤を繰り返すしかない。
家人の起床が早いと思ったら今日がタイププロジェクトの仕事始めだった。すっかり明日からと思い込んでいたので、いちにち読書にふけるあてがはずれてしまった。さっと朝食をすませ出勤。漢字のブラッシュアップを終日。
ジャズとラグビー、屋根と紋様、俳句とグラフィックデザイン。異なる領域をつなぐ概念について思いを巡らす。まぐろの山かけ丼と毛ガニ少々。
朝食は昔ながらの青菜のみの雑煮とおせちを少々。小倉あんが上にのっているチーズケーキを食べて名古屋を発つ。こんなにあたたかでおだやかな正月はめずらしい。