朝から昼にかけてすごい勢いでノドが痛くなり、夕方から急激に関節が痛み出したところで風邪を確信した。薬といえばうちには葛根湯しかないが、これでは太刀打ちできないだろう。食べる遅さが自分でないみたい。

『大菩薩峠』を読みたいと言っていた父のために、文庫で何冊か買っておこうかと思っていたら、すでにkindleで15巻まで読んでいた。全巻読破を目的に読み始めたわけではないので、物語の面白さに引っ張られてこのままあっさり読み終えてしまいそう。専用のスタンドを自作しているところはさすが木工マン。

スケッチした仮名のアウトラインを描く。太さを揃えようとすると大きさが揃わず、大きさを揃えようとすると太さが揃わない。太いフォントにはその書体固有の解決方法が必要だ。小雨少々、涼しい一日。息子とすがきやの台湾ラーメンをつくって食べる。

広報に関するプレゼンとレクチャーを受ける。課題は多い。が、そのぶん伸びしろは大きいはずだ。強みをさらに強化し、これまでの実績を体系的かつ多面的に伝えていく必要があることを理解した。私自身の役割についてもあらためて考えるべき時期なのかもしれない。

仕様の変更に対応できるよう、主要な文字を複数の字形でつくっておく。冒険したほうのバージョンが採用されなくても構わない。この課題の長所短所を具体的に知ることができるから。

試作仮名の制作と書体スケッチ。フォントの仕様とワークフローが変則的で定まらない状態が続いているため、iMacとMacBookとMacBook Airを行き来して、それぞれ異なる段階の作業を進めている。東京は猛暑。広島は雨。

TP明朝の図版制作。オンスクリーン向けに開発したフォントを印刷物でアピールするのはむずかしい。コンセプト倒れにならぬよう改善作業と視覚調整を重ねるうちに、基本設計の枠組みに収まらない部分があちこちに出てくるため、書体設計の仕様を明確に提示することが困難であるという点も悩ましい。

『のぼうの城』の前に『忍びの国』を読む。登場人物の闘う動機がそれぞれ異なり、ここぞという場面で忍術武芸の優劣が決するさまが活き活きと描かれている。中盤からクライマックスまで一気呵成のエンターテイメント。

みじかい滞在ではあったが、鶴舞・上前津の古本通りを歩き、名古屋の人たちと名古屋弁で他愛もない話をし、なつかしい風景のなかで名古屋の味を楽しんだ。コメダのモーニングで小倉を注文したら、ちょうど売り切れだったことだけが心残り。帰りの新幹線でしるこサンドを食べてわずかな溝を埋めにかかる。とある漫画家の姿勢に倣って、金シャチフォントをもっとエキセントリックな方向に振ってみようと思った。

岐阜駅近くの「ファンボギ」で熟成肉を堪能したあと、地元デザイナー連と「mirai」で地酒を飲み交わす。ことばは程々にし、贅沢な時間と空間に身を委ねる。昨晩の宴。

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