詰め情報が搭載されたフォントが朝一で届いたので、検証をおこなって問題点をフィードバックする。自席で昼をとりながら漢字のデザインチェック。午後からブラッシュアップに集中。
中堅デザイナー約15人と円卓を囲んで飲茶をいただく。さすがに五日目ともなると疲れた表情の人もいるのだが、今回の訪問で強く感じたのは、中国グラフィックデザイナーの活力である。とにかくよく集まりよく話す。写真をたくさん撮ってきたので、日本の若い人に見せてあげる機会があればと思う。帰りは上海の浦東空港を経由して東京に戻る。陳さん戦さん、中国の書体デザインをますます盛り上げていってください。
GDAの展覧会を観たあと受賞式に列席。字体設計部門の最優秀賞を受賞したデザイナーに賞状を授与する役目を仰せつかった。司会は地元テレビ局のアナウンサー、演出はゴージャスの一語に尽きる。
屋外でランチ。日中の深圳はTシャツで大丈夫なくらい暖かい。GDA審査員のレクチャーをすこし抜け出して、アート&デザインの専門書店で書法関係の本を物色する。どこに行っても良い本屋さんは気持ちを浮き立たせてくれる。現代欧体楷書の第一人者、田英章さんの本を三冊購入。戦さんの呼びかけで中国各地から集まった文字好きの若者たちと夕食を共にする。雪さんの『文字をつくる 9人の書体デザイナー』を持ってきてくれた若手デザイナーがいたのにはおどろいた。
近代中国グラフィックデザイン発祥の地と言われている深圳は、いまなお印刷関連の仕事が非常に盛んな都市である。優秀なグラフィックデザイナーもこの地に集結しており、世代・分野・地域を超えた交流が密に行なわれている。イギリス文化の色濃い上海に近いこともあり、歴史的・地理的な成り立ちを背景に、デザインとビジネスがしっかりかみあう風土が育まれてきたようだ。中国各地から集まった約30人のデザイナーと四川料理を食べたあと、深圳図書館のホールでGDA(中国グラフィックデザイン協会)主催の『漢字二十四時』という展覧会を観る。同ホールにて「書体開発の意義」というタイトルで講演会をさせていただいた。参加者は300人ほど、与えられた一時間を使い切る。夜は広東料理と白酒で中国のデザイナーと交流を深める。
仁川空港からの乗り継ぎもスムーズにいき無事深圳に到着した。ホテルでチェックインを済ませ、サミー・オーさんと一緒に夕食の会場へ向かう。関係者の挨拶および名刺交換等々。深圳グラフィックデザイン協会の方々と戯れの書を楽しみ、中国式茶道によるお手前で高山茶を味わう。
一回目の詰め情報作成を終わらせ、データをエンジニアに送る。あす朝5時に自宅を出発して成田空港へ。荷物の準備はこれから。
アシアナ航空と東方航空に電話して予約確認をおこなう。仁川空港での乗り継ぎ情報は得られず、チケットがない状態でほんとうに深圳に辿り着けるのか不安になってきた。TPの独自エディタを使って詰め情報を作成する。テキスト用の詰めデータがいい感じに仕上がりそう。
サイト関連の相談と詰めデータの作成。詰め情報を設定するプロセスで寄り引きの不備が見つかることがあるのでこの作業も気が抜けない。カップ麺を食べながらページの見出しを考える。
中国出張に備えて有線LANのアダプタを注文し、Creative Clowdから必要なアプリをインストール。13時半からサイトの打ち合わせ、16時に定例ミーティングを開始。詰め情報の編集ツールを稼働させ、エンジニアに使用感をフィードバックする。夕方から再び長めのミーティング。