橋本和夫さんのお話を聞く会に参加させていただき、久しぶりに同業者の夕食会にも出席した。このあいだまで学生だった人たちがフォントメーカー勤務のデザイナーになり、若手だと思っていた人たちはいつのまにか中堅になっていた。中堅はもうベテランと呼ばれる年代に達しており、そして我々はといえば、とうに最年長組という月日の流れかた。

朝食はスイカとベーグル。レポートと演習の採点、原字スケッチとアウトライン描画など。夕方雷雨。

来週なかばから不在のため、早めに次の作業に関する連絡を関係各位に入れておく。このまま段取りよく進めてもらう書体もあれば、あえてひと呼吸おいて書体の潜在能力を測るテストをしてもらう書体など、進捗に応じて方針はさまざま。

漢字900字のデザイン確認とフィードバック。使用頻度が高いグループのため集中して赤入れをおこなう。夕食は春巻きと明太子。冷やしすぎず出来立てで食べたわらび餅が過去最高のおいしさだった。

多摩美前期の授業が終わった。統合デザイン学科で文字をあつかうことの意味を十分に吟味した上で授業を組み立てたつもりだが、けっきょくのところ学生から教わったことのほうが大きかったかもしれない。

骨格を対象にした修正と肥瘦を対象にした修正では、圧倒的に前者のほうが効果が大きい。当然といえば当然だが、ウエイト・重心・フトコロなど、書体属性ごとに修正したあとの効果に開きがあることは覚えておいたほうがよい。優先すべき作業を考えるさい役に立つ。

何をおいても手にいれるべきは曇りのない目。良い目を養うには良いものをたくさん見ることに尽きるが、注意すべきは偏った考えが根を下ろさないようにすること。これが意外にむずかしい。

明けがたの雨で気温は25度まで下がったが、湿度は80%を越えている。提出済みのレポートと演習の採点をおこなう。

オープンキャンパスの会場で3,4年生タイプフェイスデザイン授業の講評会。今年は受講生が減ったものの着眼点がユニークな作品が多くて面白かった。書体でいえば、高野切、和様化の進んだ写経体、始平公造像記。研究対象としては、楷書系書体、道教護符、ドットフォント、ミュシャ・ゴッホ・マネの絵画とサイン。文字表現に使われた素材は、レジン、モデリングペースト、石など。

小雨降ったりやんだり。昨夕エンジニアからツールの新機能について説明があり、出社していたデザイナー3人で耳を傾ける。期待が高まる。15時から外部パートナーとオンラインで打ち合わせ。こちらも長期にわたって重要性の高い案件。大いに期待したいところ。

<< BACKNEXT >>