向こう三四年の開発スケジュールについて検討する。最大のテーマは、製品を順次リリースすること。すくなくともこの間は書体をつくる主要エンジンとしてバリバリ働かなければいけないだろう。

上海の陳さんがレタースペース来訪。日中書体デザインに関する情報交換など。新世代の台頭がどんな新風をもたらすのか注目したい。

屋根屋根にのこる雪の照りかえしで二階の部屋はこのうえなくあかるい。午後から武蔵美の卒展へ。藤原行成のフォント、チョ遂良の漢字に合う仮名の石刻、古活字の形態研究など、丁寧な仕事ぶりから作り手の思い入れが伝わってくる。

デザインの細部についてすり合わせを行ないながら漢字制作を進める。ペース、品質ともにまずまずといったところ。妻子不在中のためスーパーで弁当を買って帰る。

終日漢字制作。区切りのついたところでプリントアウトしてデザインチェック。昨年10月ごろから症状が出はじめた左まぶたの痙攣と右手足の指先のしびれはいまだ治まらず。

午前中は漢字制作とデザインチェック。午後はオフラインモードで漢字制作に集中。連日袋麺に野菜を投入して食べる。

あたりまえのことだけど、できあがった仮名を50音順で並べたときより、文章を組んだときにその書体の表情に輝きが増せば、制作における関所をひとつ越えたとみて良いだろう。和漢欧のすり合わせ。ここも難所。

二十年前のきょう名古屋を発ち、以来書体デザインをなりわいとして二十年。おのれの成人式にそなえて夕べきっぱり短髪に。東京は一面の雪。

 帰去来の声まだ遠し雪見酒    茶門

アメリカ在住の若い中国人の知人ふたりからたまたま同じ日に連絡あり。本来なら二人とも北京の美術系大学で学んでいるはずのところなのだが、ゆえあっていったん故郷をいったん離れアメリカの大学で学んでいる。日本の住みやすさ心地よさが、行動に移すべき危機感を希薄化していることは否めない。

自宅で手作り肉まんを食べて、午後からレタースペースで調べもの。仮名の手直しと出力など。

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