Kindleで『大菩薩峠』を読み進めていた父にどこまで読んだか尋ねたら「もう読んだよ」とあっさり返された。あの長編を淡々と読み切るとは、歴史物好き恐るべしである。帰省したおりに、五味康祐の『柳生十兵衛八番勝負』を私からのお薦め本として置いてきた。
『大菩薩峠』を読む日が来るかどうか分からないが、まずは五味康祐の未完の大作『柳生武芸帳』上下巻と、林不忘の『丹下左膳』三部作を読まねばなるまいて。今宵のような寒風が吹きすさぶ夜にはふさわしい読み物だろう。木枯しやニヒルは遠くなりにけり‥‥
私思うに、not my business を時代劇風に訳せば「あっしには関わりのねぇことでござんす」がパーフェクトではないかと。剣術小説・忍術小説アレルギーの人は、柴田錬三郎の随筆『地べたから物申す』からどうぞ。シバリョウもいいけどシバレンもね。