書体デザインにおけるさりげない改善を、たしかな手ごたえとして感じうる人たちと仕事ができるのは幸せなことである。書体デザイナーは当然として、ユーザーやクライアントのなかでその感覚を共有できる人がどれだけいるかが、フォントメーカーおよび関連産業の将来、そして書体の将来を左右する。さらに言えば風景も変わるのだけど、それは都市フォントの文脈で説明したほうが分かりやすいだろう。頼るべきは腕、絞るべきは知恵、である。