武蔵美今期の最終日は、自作書体を使ったテキスト表現の講評会。パワフルな作品はなかったが、全体に質が高く、素晴らしい出来映えの書体が複数あった。とらわれのない心で古典と向き合い、現代的な感覚で描かれた文字の瑞々しさ。日本語と日本の文字に流れているものが、筆と墨によって露わになるさまは、今と昔の脈絡がまだつながっていることを思わせる。デザインの命脈は文化にある。

 せせらぎは光り影には曼珠沙華     茶門