千秋楽を待たず、鶴竜が七場所ぶり三度目の優勝を決めた。相手を引き落としにいく悪い癖がなりをひそめ、出足の良さと差し身の上手さが光った場所だった。めったに土俵で感情を露わにしない力士だけに、勝ち名乗りのあとわずかにのぞいた、誇らしさと嬉しさが入り交じった表情がなんともいえず良かった。