漢字が一段落したので、自宅にこもって仮名の試作を進める。進行中プロジェクトの枠組みから外れたアイデアも、とりあえず描いてみて筋の良し悪しを確かめ、書体スケッチとして残しておく。あとで見返して文字を追加したり、形を練ったり細部を磨いたりして、徐々に手ごたえの強さを高めていく。発端の感触は、手がかり足がかりとして重要なだけでなく、ときには中盤の迷いを払拭する拠りどころにもなる。突っ切って生まれるエッジもあれば、研磨のすえに輝くエッジもある。アイデアとフォルム、いずれを問わず。