タイププロジェクトらしい書体は、目的を明確にした書体づくりによって生まれてきたし、タイププロジェクトらしさの原点はそこにある。ひとつの書体をより有用性の高いファミリーに育て、複数のファミリーが有機的に関連し合うよう構想する。この構想がタイププロジェクトの基盤になっている。
目的が明確で有用性の高い書体は窮屈そうに思われるかもしれないがそんなことはない。むしろ巷には用途不明の書体が窮屈そうにしている例があふれている。もちろんこれは書体の作り手だけの問題ではないが、素材を提供する側の人間がやるべき仕事はたくさんある。