スイスタイポグラフィ30年:TM誌 1960-90』とアレクセイ・ブロドヴィッチの本が届いたので、ざっと目を通す。今回は図版の資料性よりも、内容を重視して購入を決めた。TM誌のエミール・ルーダー、ハーパーズ バザーのブロドヴィッチ、いずれも同時代および後世のデザイナーに与えた影響は計り知れない。写真と活字のレイアウトにおける圧倒的なクオリティは、自ら築いたシステムやフォーマットを揺さぶる、不断の実践と実験精神によって鍛え上げた独自のスタイルに支えられていた。アルゴリズムで到達できない領域を考えるべき時代に入った今、次のタイポグラフィはどこで生まれるのだろう。