朝と昼に本の片付け。使用頻度の高い本は手の届く範囲に置き、活力源となる本は目の届く範囲に置く。一冊の本がときに杖となりおにぎりとなって、書体制作を乗りきる伴侶となる。ひとり部屋にこもってAXIS Fontを作っていたとき、いつも私の背後にあって精神的な支柱になっていたのは『字統』だった。瞬間的な称賛や批判に一喜一憂したり、一時的な毀誉褒貶に惑わされていては書体の完成と普及はおぼつかない。自分のなかに芽生えた芯は、時間をかければかけるほど強くしなやかに成長する。