きょうは小塚さんを訪ねて柏まで。昼を食べながらゆっくり歓談。これまでたくさん話を聞いてきたが、知らないエピソードがまだぽろぽろ出てくる。

東京真夏日。午後から多摩美で授業。体重はすこし戻ってきたが、体力がぎりぎりな感じ。大事なときにどどっと崩れないよう気をつけないと。

漢字のデザイン確認とフィードバックを二周。別書体の進捗を確認し、次の作業について相談する。夕食は白魚丼。

朝夕はだいぶ秋めいてきた。漢字熟語シート3ウエイトの赤入れをして担当デザイナーに戻す。おおむねリリースできる品質に到達した。

提出してもらった講義レポートの採点をおこなう。個別に答えた方がよさそうな質問には個々に返答し、興味深い質問や感想については、来週の講義冒頭で答えつつ全員で共有を図る。

鍛え続け磨き続けないといけないのは仕事も同じ。20代のころ小塚さんから言われた「手と目と心」ということばが歳を重ねるごとに重みを増す。

ストローク形状の一貫性と精度を保つ方法について、担当デザイナー二人とエンジニアを交えて意見交換をおこなう。むずかしい課題だが何らかの解決が望まれる。

教えることがいちばんの学びとはよく言われることだが、じっさい鍛え直すか磨き直すかせずに教壇にあげられる知識はほとんどない。長く続けている授業でも時に応じて内容を見直しているのは、飽きること錆つくことへの恐れがはたらいているせいかもしれない。学習に対する最大の報酬は、知らなかったことを知るよろこびであり、それを伝える相手がいることだろう。

午前中に漢字のデザイン確認とフィードバック。午後から多摩美。江戸時代の絵と文字を巡るレクチャー。学生との対話時間を増やしたら、見るまに教室の雰囲気が活性化した。きょうは光悦謡本と歌麿の画本虫撰(いずれも複製)と江戸時代の和本二冊を持参。空摺りの立体感や雲母の輝きは、書画カメラではいかんともしがたいため、60数名の学生に回覧し手に取って見てもらった。会社に戻って修正漢字のデザインを確認。

武蔵美の講評会。時間をめいっぱい使ってじっくり濃いめの講評をおこなう。今年は全体的に作品の質が高かった。1年生の講評が終わったあと4年生の卒制の相談に乗る。