5時半起床。自宅で作業をしているデザイナー二人から届いた漢字に赤を入れてフィードバックし、修正が反映された熟語シートを眺めて漢字全体の品質を確認する。簡単な修正方針だけ伝えて具体的な修正は二人に任せることにした。午後は開発終盤に入った書体のサンプル確認をおこなう。夕方から外部とオンラインで打ち合わせ。

35度を悠に超えていると思われる暑さ。二階の書庫に10分いるだけで汗だく。開発初期漢字の赤入れとフィードバックを2周。徐々に骨格が安定してきた。15時から社内ミーティング。密度は高くテンポよく。

橋本和夫さんのお話を聞く会に参加させていただき、久しぶりに同業者の夕食会にも出席した。このあいだまで学生だった人たちがフォントメーカー勤務のデザイナーになり、若手だと思っていた人たちはいつのまにか中堅になっていた。中堅はもうベテランと呼ばれる年代に達しており、そして我々はといえば、とうに最年長組という月日の流れかた。

朝食はスイカとベーグル。レポートと演習の採点、原字スケッチとアウトライン描画など。夕方雷雨。

来週なかばから不在のため、早めに次の作業に関する連絡を関係各位に入れておく。このまま段取りよく進めてもらう書体もあれば、あえてひと呼吸おいて書体の潜在能力を測るテストをしてもらう書体など、進捗に応じて方針はさまざま。

漢字900字のデザイン確認とフィードバック。使用頻度が高いグループのため集中して赤入れをおこなう。夕食は春巻きと明太子。冷やしすぎず出来立てで食べたわらび餅が過去最高のおいしさだった。

多摩美前期の授業が終わった。統合デザイン学科で文字をあつかうことの意味を十分に吟味した上で授業を組み立てたつもりだが、けっきょくのところ学生から教わったことのほうが大きかったかもしれない。

骨格を対象にした修正と肥瘦を対象にした修正では、圧倒的に前者のほうが効果が大きい。当然といえば当然だが、ウエイト・重心・フトコロなど、書体属性ごとに修正したあとの効果に開きがあることは覚えておいたほうがよい。優先すべき作業を考えるさい役に立つ。

何をおいても手にいれるべきは曇りのない目。良い目を養うには良いものをたくさん見ることに尽きるが、注意すべきは偏った考えが根を下ろさないようにすること。これが意外にむずかしい。

明けがたの雨で気温は25度まで下がったが、湿度は80%を越えている。提出済みのレポートと演習の採点をおこなう。