今回は、熊谷高幸著の『タテ書きはことばの景色をつくる-タテヨコふたつの日本語がなぜ必要か?-』をご紹介します。
縦書き減少・横書き増加の傾向にある現状を捉えつつ、様々な実験や調査の結果から日本語を分析し、縦書きと横書きが共存する日本語の魅力を再発見していく内容です。
タテヨコ共存を含む日本語の特異性は文中の要所要所でも示されますが、そのような言語を日常的に使い自身の感覚と擦り合わせながらこの本を読めるのはとても貴重な体験かもしれません。
私自身も普段は無自覚でしたが、この本を読んでいると意外と自分にも縦書き横書きに対する思いがあるのだと気付かされました。著者が行う調査の中には自分だったらどうなるのかすぐに試せるものあるので、体験して自身の立ち位置や感覚も確認しながら読んだ一冊です。
書籍情報:
『タテ書きはことばの景色をつくる-タテヨコふたつの日本語がなぜ必要か?-』
著者:熊谷高幸
発行:新曜社
購入情報:
新曜社
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455646.html
(担当T)
シリーズアーカイブ おすすめの一冊 / 今月の一冊
- 今月の一冊(2024年11月)『そこに文字が』
- 今月の一冊(2024年10月)『人間と文字』
- 今月の一冊(2024年 7月)『[新デザインガイド]日本語のデザイン』
- 今月の一冊(2024年4月)『明朝体活字 その起源と形成』
- 今月の一冊(2024年2月)「タイポさんぽ―路上の文字観察」
- 今月の一冊(2023年9月)『味岡伸太郎 書体講座』
- 今月の一冊(2023年7月)『活字に憑かれた男たち』
- 今月の一冊(2023年2月)『The Visual History of Type』
- 今月の一冊(2022年12月)『Reading Letters』
- 今月の一冊(2022年10月)『SANS SERIF』
- 今月の一冊(2022年6月)『「書体」が生まれる』
- 今月の一冊(2021年12月)『街で出会った欧文書体実例集 -THE FIELD GUIDE TO TYPOGRAPHY-』
- 今月の一冊(2021年11月)『デザインワークにすぐ役立つ欧文書体のルール』
- 今月の一冊(2021年10月)『タテ書きはことばの景色をつくる-タテヨコふたつの日本語がなぜ必要か?-』
- 今月の一冊(2021年9月)『漢字とカタカナとひらがな-日本語表記の歴史-』
- 今月の一冊(2021年8月)『Scripts: Elegant Lettering from Design’s Golden Age』