漢字と仮名の組み替え05「既製フォントで組み替え」

今回はTPスカイシリーズでできる組み替えサンプルを図に用意しました。漢字は全て同じですが、仮名をコントラストの高いものや、カウンターを絞ったものに組み替え、より漢字・仮名のメリハリがある組版を目指してみました。TPスカイシリーズは4つの軸を持った和文書体で、2段階のラウンド展開も合わせると計91フォントにもなるビックファミリーです。バリエーションが豊かで、そのうえシンプルでクリ…

今月の一冊(2022年10月)『SANS SERIF』

今回は、CEES W. DE JONG著、『SANS SERIF』を紹介します。 本書は1900年から2000年頃までの30種以上の主要なサンセリフを取り上げ、豊富な図版、解説とともに紹介しています。 サンセリフにだけに絞った書籍は珍しく、焦点を絞りやすいのが良いところです。また、時代に沿った構成になっており今も使われている書体はこの時代に生まれたのか、この時代にはこれが流行っ…

書体づくりの舞台裏:フォントの赤入れ02「S- S+、C- C+」

前回は簡略化した赤入れとしてW-とW+の紹介をしました。今回ももう少しアルファベットの赤入れを紹介していきます。 Sはサイズの意味で、S-なら「小さく」、S+なら「大きく」という指示です。単純に拡大縮小すると筆画の太さもいっしょに変わってしまうので、太さは変えずに骨格を小さくしたり大きくしたりするようなイメージで修正します。 「医」は文字全体を小さくという指示です。四角い文字は…

Webフォントのデザインテクニック01「見出しやリード文を詰め組みしよう」

見出しやリード文など、文字サイズが大きいために文字間が目立つ場合や、文の視覚的なまとまりが欲しい場合は、詰め組みするとより綺麗に見せることができます。 OpenType フォントは、文字の形状だけでなく、文字組版に関するさまざまな機能についての情報を含んでいます。 このうち、paltとkern(縦組みの場合はvpalとvkrn)という OpenType 機能を利用することで、W…

漢字と仮名の組み替え04「フィットフォントで組み替え」

タイププロジェクトのwebサイトにあるフィットフォントのシミュレーターは、和文と欧文の組み替えだけでなく、漢字と仮名の組み替えにも対応しています。 フィッティングの手順ですが、例えばフォントAをベースに仮名だけをフォントBに組み替えるとして、私の場合は、まずフォントBの仮名の太さや字幅をフォントAの仮名に近づけるところから始めています。近づけた仮名を組替えてから微調整して、表示…