漢字・ひらがな・カタカナの組版05「縦組みと横組み」

日本語では縦組みと横組みが使い分けられています。漢字や仮名の多くはどちらの組み方向でも共用できる文字です。一方で、縦組み専用・横組み専用で違いのある文字もあります。例えば90度回転する括弧、位置が変わる小書きの仮名や句読点などです。フォントデータと組版アプリケーションの両方に機能があることで、これらが正しく表示されます。 (担当T)

漢字・ひらがな・カタカナの組版04「分かち書きをしない」

日本語では英語やその他の言語で用いられる「分かち書き」をしません。「分かち書き」とは、ワードスペース(空白)で語句の区切りを示すことです。日本語でこれと似た機能を担うのは「漢字仮名交じり」です。漢字・ひらがな・カタカナは表記上の役目に違いがあり、この3字種を使い分ることで語句の区切りも示します。図に①~④の全て同じ発音になり同じ意味を表す文章を用意しました。この中で④の漢字仮名…

漢字・ひらがな・カタカナの組版03「漢字が多い」

文章中に多いのは仮名ですが、文字の種類が多いのは漢字です。日本の義務教育では2000字ほどの漢字を習います。なおかつ、様々なシーンで使われるフォントはさらに多くの漢字が必要です。例えばタイププロジェクトの多くのフォントも該当する文字セット「StdN(スタンダード版)」では全体が9500字ほどで、そのうち約7000字の漢字が収録されます。 (担当T)

漢字・ひらがな・カタカナの組版02「仮名が多い」

現代の日本語の漢字仮名交じり表記では文章のうち6~7割ほどが仮名になることが多いです。ひらがな・カタカナの基本的な文字はそれぞれ46字しかないので、和文フォントの中では使用頻度の高いグループです。仮名だけを別の書体に組換えたり、オリジナル仮名を制作したりすることで、表現したい組版のイメージを調整する手法もあります。 (担当T)

漢字・ひらがな・カタカナの組版01「3種類の文字」

現代の日本語表記の基本は、漢字・ひらがな・カタカナの3つの文字種を混用する「漢字仮名交じり」です。漢字は中国で生まれた表意文字です。その漢字から音だけを借り、日本独自の表音文字であるひらがなとカタカナができました。漢字を書きくずしたものがひらがな、漢字の一部をとったものがカタカナ、とそれぞれの成り立ちに違いがあります。また、この3字種に加えて英単語や名称などにラテンアルファベッ…