22.01.31シリーズおすすめの一冊 / TPの書庫から TPの書庫から『されど鉄道文字』 今回は、中西あきこ著の『されど鉄道文字 駅名標から広がる世界』をご紹介します。 日ごろ電車を利用する中で欠かせない案内や駅名の表示に使用されている書体が、どのようにして選ばれたのか気になりました。タイププロジェクトのAXIS Fontも西武鉄道のサインシステムに使用されており、本書で言及されている鉄道で使われてきた旧い文字から現在までのつながりに興味を持ち選書しました。 職人に…
22.01.24シリーズ開発ストーリー / TPスカイ クラシック欧文開発ストーリー TPスカイ クラシック欧文開発ストーリー01「TPスカイ クラシックの特徴」 TPスカイ クラシックはサンセリフ体の簡潔明快さと、古典的な楷書の端正さを合わせ持つ書体です。和文の中に含まれる欧文として、開発当初は文字の形の相性が良いものを制作することだけ意識していました。しかし、制作と検証を重ね、形としての相性だけではなく、欧文においても古典的な骨格、トラヤヌス帝の碑文等に見られる大文字、オールドローマン系のスタイルをクラシックの典拠として位置付けていま…
22.01.17シリーズ欧文書体デザイン / 欧文イタリック 欧文イタリック06「イタリックの傾斜2」 本シリーズの前回記事「イタリックの傾斜角1」では、正体とイタリックを比較してイタリックをどれだけ傾けるかという話をしました。今回は、ひとつのイタリック書体の中でのそれぞれの文字の角度について取り上げたいと思います。 ひとつのイタリックの書体の中でも全てのグリフが幾何学的に同じ角度に傾いているというわけではありません。グリフごとに角度に変化をつける理由は大きく分けて2つあります。…
22.01.11シリーズ和文書体デザイン / 漢字・ひらがな・カタカナのデザイン 漢字・ひらがな・カタカナのデザイン03「太さ」 特に太いウェイトを制作する際の注意点として、筆画の太さ調整があります。漢字・ひらがな・カタカナの全ての筆画を数値的に同じ太さにしてもフォントは揃って見えません。 以前「字面」の回でも触れたように、仮名は漢字より画数が少なめでサイズも小さめです。そのため漢字と同じ太さにすると並んだ時に弱く見えてしまいます。付け加えて、この傾向はひらがなよりカタカナの方が強いです。逆に漢字は画数が…