今月の一冊(2021年11月)『デザインワークにすぐ役立つ欧文書体のルール』

今回は、カレン・チェン(Karen Cheng)著、白井敬尚 監修、井原恵子 翻訳の『デザインワークにすぐ役立つ欧文書体のルール』を紹介します。

こちらは2006年に『Designing Type』として出版された本の日本語翻訳版です。

欧文書体の歴史や書体制作の基礎知識がまとめられています。欧文書体のデザインには、大文字・小文字・数字・記号などカテゴリーの異なる文字群を一つの書体として成立させ、読みやすい書体にするための様々な工夫がなされています。書体のデザインや用途によって制作方法も変わってきますが、この本では欧文書体制作に必要な基本的なルールが多くの図版と実際の書体での例とともに初心者にも分かりやすく解説されています。欧文書体制作に興味を持っている方にはもちろん、使う方にも役立つ情報が満載の一冊です。

私が書体デザインを一緒に学んだ海外の友人たちの中にも、学生時代にこの本を手にとったという人は多いです。欧文書体関連の書籍で日本語版が出版されているものは数少ないので貴重な一冊だと思います。欧文書体を作ってみたいけれどどこから始めたら良いかわからない、という方にはこちらの本をお勧めします。

また、日本語版の書籍には本文書体としてタイププロジェクトのTP明朝とTPスカイ、キャプションにはTPスカイ コンデンスが使用されています。(欧文部分はQuadraatとQuadraat Sans)

図版が多く使用される場面でキャプションにTPスカイコンデンスを使用することで、テキストがコンパクトにまとまり図版とキャプションの情報が見やすく整理されています。

書籍情報:
日本語翻訳版
『デザインワークにすぐ役立つ欧文書体のルール』
 著者:カレン・チェン
 監修:白井敬尚
 翻訳:井原恵子
 発行:グラフィック社

英語版
『Designing Type』
 著者:Karen Cheng
 発行:Yale University Press

購入情報:
日本語版
グラフィック社

http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=44225
英語版
Yale University Press

https://yalebooks.yale.edu/book/9780300249927/designing-type

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