23.03.27シリーズおすすめの一冊 / TPの書庫から TPの書庫から『文字の文化史』 今回は、藤枝晃著の『文字の文化史』を紹介します。 本書には象形文字から始まり漢字の誕生、印刷に至るまでの歴史や書体の変遷が書かれています。写経など貴重な図版も豊富です。 皇帝の文字、臣下の文字など現在までに生まれた書体がどのような立場の人のためのもので、その限られた人のものから万人のものになるまでの経緯は興味深かったです。 文字の造形や筆法にのみ焦点を当てたものではなく、筆など…
23.03.20シリーズ和文書体デザイン / 漢字の構成と制作ポイント 漢字の構成と制作ポイント04「囲む系」 囲む系の部首には「垂(たれ)」「繞(にょう)」「構(かまえ)」があります。囲む側は強め、中に入るものは弱めに見えるよう大きさを調整します。太さについては中に入るものを一段階細く作り、混雑を避け文字全体のトーンをならします。特に太いウエイトになるほどこの一段階で大きく差をつける傾向があります。以前紹介した「縦画は右に行くほど太く、横画は下に行くほど太く」という原則がありますが、こ…
23.03.13シリーズ和文組版 / フォントの組版機能 フォントの組版機能07「カーニングのいろいろ」 特定の文字と文字の間の空きを調整するのが、カーニングです。InDesign/Illustratorのカーニングメニューには、和文等幅、メトリクス(Illustratorのバージョンによっては「自動」)、オプティカル、そして数値指定(手動)があります。 和文等幅は、ベタ組み用の設定です。ベタ組みの場合でも、欧文にはカーニングが効いて欲しいですよね。上図のカーニング0の例を見ると、…
23.03.06シリーズフィットフォント / フィットフォントの紹介 フィットフォントサービスの紹介05「フィーチャーのマージツール」 わたしたちはこれまでの欧文組み合わせの経験からGPOS/GSUBフィーチャーを効率的に統合するためのツールを開発し、フィットフォントサービスでの和文フォントと欧文フォントの統合の際に利用しています。 欧文フォントと日本語フォントを組み合わせてひとつのフォントとする場合、OpenTypeフィーチャーの扱いには注意が必要です。日本語フォント側のグリフが欧文フォントのグリフで上書きさ…