今回は、Paul McNeil著、『The Visual History of Type』を紹介します。
本書は1400年代から2000年頃までの厳選された欧文書体を紹介しています。構成はシンプルで、見開きに一書体の見本帳図版、その解説が載っています。そして特筆すべきはその量です。約600年に渡る320書体以上が年代順に並べられ、ページをめくるとともに書体の歴史を感じることができます。また、約30cm×25cm の大型書籍であるため自分では探すことすら困難であろう図版が高精細で見ることができます。
多くの書体の種類を網羅している為、自分のアンテナの範囲外のものが必ず見つかり、知見を広げることにも役立ちます。解説ついてはそこまで長くないこともポイントで簡単に読み進めることができます。かなり本として存在感があるので入手するには少しハードルが高いですが、ボリュームを裏切らない内容であることは確かです。欧文書体に興味がある方はぜひ一度実物を見て検討していただきたい一冊です。
書籍情報:
『The Visual History of Type』
著者:Paul McNeil
発行:Laurence King Publishing
購入情報:
公式サイトから購入することができます。
https://www.laurenceking.com/products/the-visual-history-of-type?_pos=1&_sid=d782df677&_ss=r
(KY)
用語
シリーズアーカイブ おすすめの一冊 / 今月の一冊
- 今月の一冊(2024年11月)『そこに文字が』
- 今月の一冊(2024年10月)『人間と文字』
- 今月の一冊(2024年 7月)『[新デザインガイド]日本語のデザイン』
- 今月の一冊(2024年4月)『明朝体活字 その起源と形成』
- 今月の一冊(2024年2月)「タイポさんぽ―路上の文字観察」
- 今月の一冊(2023年9月)『味岡伸太郎 書体講座』
- 今月の一冊(2023年7月)『活字に憑かれた男たち』
- 今月の一冊(2023年2月)『The Visual History of Type』
- 今月の一冊(2022年12月)『Reading Letters』
- 今月の一冊(2022年10月)『SANS SERIF』
- 今月の一冊(2022年6月)『「書体」が生まれる』
- 今月の一冊(2021年12月)『街で出会った欧文書体実例集 -THE FIELD GUIDE TO TYPOGRAPHY-』
- 今月の一冊(2021年11月)『デザインワークにすぐ役立つ欧文書体のルール』
- 今月の一冊(2021年10月)『タテ書きはことばの景色をつくる-タテヨコふたつの日本語がなぜ必要か?-』
- 今月の一冊(2021年9月)『漢字とカタカナとひらがな-日本語表記の歴史-』
- 今月の一冊(2021年8月)『Scripts: Elegant Lettering from Design’s Golden Age』