今月の一冊(2023年9月)『味岡伸太郎 書体講座』

今回は、味岡伸太郎著の『味岡伸太郎 書体講座』を紹介します。 本書はグラフィックデザイナーでもあり明朝体フォント「味明」シリーズを手がけた味岡伸太郎氏による書体、タイポグラフィに関する文章が収録されています。書体を作るに至った経緯、字体や書体、著作権等について論じられています。本全体が著者の手掛けた書体で組まれていて、書体の見本帳にもなっています。 「縦組横組考」の章では縦組が…

書体制作の舞台裏「TPの書庫、蔵書について」

スタッフブログ「TPの書庫から」ではおすすめの一冊を紹介していますが、タイププロジェクトの書庫にはたくさん蔵書があります。絶版で手に取りづらい本や、文字にまつわる本の多さに入社した当初驚きました。書体、書の本はもちろん、日本語、そのほか言語にまつわるもの、和歌など広く日本文化にまつわるもの、等々種類は多岐にわたります。 それらのほとんどは弊社の鈴木が集めた本で、読んだものは付箋…

フォントの組版機能10「分数の仲間(afrc/frac)」

OpenTypeフォントの分数には、2種類のスタイルが用意されています。ひとつは横線を使った「分数(afrc)」もうひとつが「スラッシュを用いた分数(frac)」です。 ProN版のAXIS Fontには、分母が2から12までの約分できない真分数と「0/3」と「1/100」が入っています。分子が0の「0/3」が入っている理由は、野球のピッチャーの投球回を表現するため。アウトを1…