今月の一冊(2023年4月)『明朝体活字 その起源と形成』

今回は、小宮山博史著の『明朝体活字 その起源と形成』を紹介します。 ずっしりと大きめの本で内容もぎっしりと詰まっているのですが、小宮山先生の柔らかな文体と、文章と関連図版を一緒に追えるよう設計された丁寧な紙面で、読み口は優しく感じます。 本書は「もしかすると金属活字の明朝体は中国人ではなくヨーロッパ人が作ったのか?」という疑問から始まりました。そして実際にアジアの国々に留まらず…

純明朝開発ストーリー1「骨格の特徴 その1」

純明朝・純明朝 ヘッドライン・純明朝 ヘアラインで漢字を担当した私は、仮名との関係や、どのような書体を目指すのか、書体の位置付け、新しいものにするにはどのような形になるのかを探りつつ制作を始めました。漢字筆画の細部ももちろんですが、それ以上に骨格に苦心しました。 制作当初から横組みを主眼に置き、縦組みでも実用性を持たせることが念頭にありました。特徴として、仮名はゆったりとした筆…

TPフォント使用事例紹介「書籍のタイトル その4」

パッケージや書籍、Webサイト、広告など各媒体でのタイププロジェクトのフォントの使われ方を事例を元にご紹介していきます。今回は、翻訳書をまとめて紹介します。 『音楽のはたらき』 著者:デヴィッド・バーン 翻訳:野中モモ 発行:イースト・プレス 書籍情報:https://www.eastpress.co.jp/goods/detail/9784781621968 【使用されている…