今月の一冊(2024年 7月)『[新デザインガイド]日本語のデザイン』

今回は、永原康史著の『[新デザインガイド]日本語のデザイン』を紹介します。

この本では、日本語のデザインはどういう流れがあって現代に至るのかを知ることができます。日本語に文字がない頃からはじまり、書体、テキスト内容、紙面構成、読者層、印刷技術、などさまざまな観点で日本語を見ていく内容です。

現代を生きる自分にはない感覚として面白かったのは、書体と内容の密接な関係です。政治や宗教に関するものは楷書で書かれ、文芸や生活に関するものはくずし字で書かれる、といった使い分けがかつてはあったと示されていました。その使い分けをしなくなり、明朝体とゴシック体が二大巨頭の現代組版に移り変わっていく経緯も明かされています。

日本語のデザインに関わる上での自分の立ち位置、日本語が失ったもの得たもの、これらを知る入り口としておすすめ一冊です。

書籍情報:
『[新デザインガイド]日本語のデザイン』
著者:永原康史
発行:美術出版社

購入情報:
https://amzn.asia/d/9Vc98cv

2024年に加筆修正版が発売されています。
書籍情報:
『日本語のデザイン 文字からみる視覚文化史』
著者:永原康史
発行:Book&Design

購入情報:
https://bookdesign.theshop.jp/items/84839734

(担当T)

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