書体づくりの舞台裏:視覚調整01「空き部分の広さ」

このシリーズでは、書体づくりの視覚調整について紹介します。 今回は「田」を例に紹介します。 書体づくりの大まかなルールとして、「下側を広く」「右側を広く」なるように調整します。これは、人の目には下部より上部の方が、右より左の方が膨張して見える錯視を考慮しています。 シンプルな構造の「田」で説明します。 「田」という漢字は左右対象な形をしていますが、見た時に同じ大きさに見えるよう…

フォントの組版機能12「欧文合字(liga)」

2つ以上の文字の組み合わせをまとめてデザインしたものを合字(リガチャ)と呼びます。図の例では、fとtが並んだときのくっつき加減の微妙さを、まとめてデザインすることによって解決しています。ftの横画をつなげるだけでなく、tの頭のカット角度も変えてありますね。 欧文合字はデフォルトでオンになっているアプリケーションも多いため、図に掲載したHama Mincho Italicの場合、…

フィットフォントサービスの紹介09「フトコロ軸」

タイププロジェクトではこれまでのフィットフォントサービスによる書体提供の経験をもとに、さらなるサービスの強化のため、技術開発を続けています。 以前の記事で、ウェイト、コントラスト、字幅の3軸を持つ日本で初めての書体ファミリーとして、TPスカイを紹介しました。その次のステップとして4つめの軸を加えたTPスカイを開発し、TPスカイクラシックとして2021年6月にリリースしました。 …