今回は、今野真二著の『漢字とカタカナとひらがな-日本語表記の歴史-』をご紹介します。
日本語表記が現代の漢字仮名交じりに至るまでの紆余曲折を、様々な歴史資料から読み解いていく内容です。古墳時代の銅鏡に始まり『古事記』『万葉集』『平家物語』など誰もが知るような資料も扱われ、日本語学者である著者がそれらの表記をじっくりと細かく観察していきます。
私が特に興味が惹かれたのは書体に注目した分析で、テキスト内容・文字種・書体の密接な関係が解説されていました。以前このブログでは「漢字・ひらがな・カタカナの組版」と題し現代の日本語表記に触れましたが、仮名の成り立ちについてもっと知りたい、過去の日本語はどんな表記をしていたの?と気になる方にオススメしたい一冊です。
書籍情報:
『漢字とカタカナとひらがな-日本語表記の歴史-』
著者:今野真二
発行:平凡社
購入情報:
平凡社
https://www.heibonsha.co.jp/book/b310920.html
(担当T)
シリーズアーカイブ おすすめの一冊 / 今月の一冊
- 今月の一冊(2024年11月)『そこに文字が』
- 今月の一冊(2024年10月)『人間と文字』
- 今月の一冊(2024年 7月)『[新デザインガイド]日本語のデザイン』
- 今月の一冊(2024年4月)『明朝体活字 その起源と形成』
- 今月の一冊(2024年2月)「タイポさんぽ―路上の文字観察」
- 今月の一冊(2023年9月)『味岡伸太郎 書体講座』
- 今月の一冊(2023年7月)『活字に憑かれた男たち』
- 今月の一冊(2023年2月)『The Visual History of Type』
- 今月の一冊(2022年12月)『Reading Letters』
- 今月の一冊(2022年10月)『SANS SERIF』
- 今月の一冊(2022年6月)『「書体」が生まれる』
- 今月の一冊(2021年12月)『街で出会った欧文書体実例集 -THE FIELD GUIDE TO TYPOGRAPHY-』
- 今月の一冊(2021年11月)『デザインワークにすぐ役立つ欧文書体のルール』
- 今月の一冊(2021年10月)『タテ書きはことばの景色をつくる-タテヨコふたつの日本語がなぜ必要か?-』
- 今月の一冊(2021年9月)『漢字とカタカナとひらがな-日本語表記の歴史-』
- 今月の一冊(2021年8月)『Scripts: Elegant Lettering from Design’s Golden Age』