今回は、今野真二著の『漢字とカタカナとひらがな-日本語表記の歴史-』をご紹介します。
日本語表記が現代の漢字仮名交じりに至るまでの紆余曲折を、様々な歴史資料から読み解いていく内容です。古墳時代の銅鏡に始まり『古事記』『万葉集』『平家物語』など誰もが知るような資料も扱われ、日本語学者である著者がそれらの表記をじっくりと細かく観察していきます。
私が特に興味が惹かれたのは書体に注目した分析で、テキスト内容・文字種・書体の密接な関係が解説されていました。以前このブログでは「漢字・ひらがな・カタカナの組版」と題し現代の日本語表記に触れましたが、仮名の成り立ちについてもっと知りたい、過去の日本語はどんな表記をしていたの?と気になる方にオススメしたい一冊です。
書籍情報:
『漢字とカタカナとひらがな-日本語表記の歴史-』
著者:今野真二
発行:平凡社
購入情報:
平凡社
https://www.heibonsha.co.jp/book/b310920.html
(担当T)
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