漢字の構成と制作ポイント05「整合性」

一つの部首の作り方に、ある筆画をテンにしたりハライにしたりと、いくつかのパターンが認められている場合があります。文字デザインを広く見たときには自由に選べる選択肢でも、1フォントのデザイン方針の中ではどれか一つだけに限定している場合が多いです。フォントの作りはじめの段階ではいくつかのパターンを試して良いものを選択していき、同じ部首ごとに漢字を並べて異なるパターンのものが混ざってい…

漢字の構成と制作ポイント04「囲む系」

囲む系の部首には「垂(たれ)」「繞(にょう)」「構(かまえ)」があります。囲む側は強め、中に入るものは弱めに見えるよう大きさを調整します。太さについては中に入るものを一段階細く作り、混雑を避け文字全体のトーンをならします。特に太いウエイトになるほどこの一段階で大きく差をつける傾向があります。以前紹介した「縦画は右に行くほど太く、横画は下に行くほど太く」という原則がありますが、こ…

漢字の構成と制作ポイント03「横割り系」

今回は横割り系として、上下分割で構成される漢字の制作ポイントの紹介です。漢字の上側にあるものが「冠(かんむり)」、下側にあるものが「足(あし)」と呼ばれています。 冠ではただ上下に並べるのではなく、被せる・中に入れるといったイメージで作る場合があります。例えば「安」なら「宀」の内側の空間に「女」の頭を食い込ませるようにして作り、見え方としては中の要素に冠が負けないよう調整してい…

漢字の構成と制作ポイント02「縦割り系」

漢字の左側にあるものが「偏(へん)」、右側にあるものが「旁(つくり)」です。今回は偏と旁、縦に分割する構成の漢字を作る時のポイントを紹介します。 横に2つの要素をならべるからといって丁度半分ずつの幅で作っても、大抵の文字は綺麗なバランスに見えません。一文字全体で筆画の密度をならすように左右の構成要素の横幅を調整します。このとき間の空き具合も重要で、それぞれの固まりは見えつつも一…

漢字の構成と制作ポイント01「部首」

漢字は部首によるグループ分けができます。部首とは漢字の一部分で、例えば「焼、炊、炒」はすべて共通の部首をもつ漢字です。この部首は、単体で書く場合が「火」、漢字の左側にあるものが「偏」なので、「火偏」と呼ばれています。火偏なら火に関連する意味であることが多い、というように漢字を覚えたり使ったりする場面で部首はよく意識されますし、読めない漢字でも部首から引けるなど、部首は様々な場面…