今月の一冊(2024年2月)「タイポさんぽ―路上の文字観察」

今回は、藤本健太郎著の『タイポさんぽ―路上の文字観察』をご紹介します。

本書は著者が日本各地の路上で見つけた、看板や商品ロゴなどの文字たちとの出会いを記録したものです。自ら撮影した写真とグラフィックデザイナーである著者の視点から綴られた文章で120余りの事例が紹介されています。

本書で紹介されているのは、どれもアナログな手仕事の文字たちです。街の中で時代を経た姿は、現代のデジタルフォントでは再現することが難しい、深い味わいを醸し出しています。また、それらへの著者の考察が秀逸で、路上観察の面白さを知る良いきっかけになるのではないでしょうか。実際に私自身も路上でそのような文字を見つけると、ちょっとした有名人に出会ったかのような高揚感を感じてしまい、気づけば同じように写真を撮っていたことが多々あります。文字デザインに興味がある方だけでなく、どなたでも楽しめる散歩のお供にも最適な一冊だと思います。

書籍情報:
『タイポさんぽ―路上の文字観察』
著者:藤本健太郎
発行:誠文堂新光社

購入情報:
https://www.amazon.co.jp/タイポさんぽ―路上の文字観察-藤本-健太郎/dp/4416212844

在庫切れですが、古書で購入できます。

*増補版も出ているようです。

書籍情報:
『タイポさんぽ・改―路上の文字観察』
著者:藤本健太郎
発行:誠文堂新光社

購入情報:
https://seibundo-store.com/products/61678?_pos=1&_sid=ea3fd90f2&_ss=r
在庫切れですが、古書で購入できます。

(KT)

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