フィットフォントサービスの紹介02「多様なパラメータの調整」

フィットフォントの最も重要な特徴は、欧文フォントにぴったり合った日本語フォントを提供できるという点です。もちろん、このような用途でバリアブルフォントを利用することも可能でしょう。しかし、バリアブルフォントはフィットフォントの代わりにはなりません。フィットフォントは、フィッティングという目的に焦点を当てて開発されてきたからです。 異なる言語のフォントを組み合わせることをタイププロ…

書体づくりの舞台裏「目玉」

弊社の以前の作業環境では、元データにエラーのあるグリフを「目玉」と呼ばれるアイコンへ置き換えてフォントを出力する設定がありました。一つ目の黒い球体に無数の枝か触手のようなものが生えたなんとも禍々しい姿をしています。視線を落としているのかこちらを見下ろしているのかわかりませんが、私にはこれが物言いた気な表情に見えなくもないのです。このデザインは、私たちを激励するための開発エンジニ…

TPの書庫から『印刷・紙づくりを支えてきた34人の名工の肖像』

今回は、雪朱里著の『印刷・紙づくりを支えてきた34人の名工の肖像』を紹介します。 以前紹介した『書体が生まれる』の中にも出てきた人物が取り上げられていることや、本書で紹介されている職人や技術者が辿ってきた時代や仕事と、自分の携わっている書体デザインに引き寄せてものづくりや仕事について考えてみたいと思い選書しました。 本書は活字、印刷加工や紙づくりを支えてきた職人や技術者へのイン…

TPスカイ モダン Blk 開発ストーリー 03「実験!」

このシリーズの前回の記事で「漢字の試作で骨格や太さの調整をした」という話を紹介しましたが、試作段階では他にもさまざまな調整や実験がありました。例えば、字面率を数パーセント毎に刻んだサンプルです。最終的にはギリギリまで大きめの字面率を採用したので、モダンBlkをベタ組にすると文字と文字の間が狭くみっちり並びます。 他にも太さを意識した実験として、平体をかけたサンプルを作ってみたり…