フォントの組版機能09「JIS90字形(jp90)」

図には2種類の「ちまた」という字を並べてみました。皆さん、なじみのある字はどちらでしょうか? 辞書に載っているのは、左のほうです。右は、一時期コンピュータでよく見られた形で、そのころは一部の雑誌や書籍でもこちらの形が使われていましたが、今ではもう、あまり見かけることはなくなりました。

現在タイププロジェクトが提供している日本語フォントは「AXIS Font ProN」「TP明朝 StdN」のように、名前に「N」が付いています。このように「N」が付いているフォントでは、「ちまた」と入力して変換すると、左側の字体が表示されるはずです。右側の字体を表示したい場合「JIS83字形(jp83)」または「JIS90字形(jp90)」というOpenTypeフィーチャーを使ってグリフを置き換えます。

このシリーズでは、これまで「グリフの位置を調整する」GPOSフィーチャーについて説明してきました。今回から「グリフを置き換える」GSUBフィーチャーを紹介していきます。

(mm)

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