フォントの組版機能16「等幅数字とプロポーショナル数字(tnum/pnum)」

フォントに含まれている数字の話をするとき、「プロポーショナル」または「等幅」という用語が、ちょっとややこしいかんじになりがちです。

一般的な日本語フォントには、デフォルトの数字「0123456789」のほかに全角数字「0123456789」が入っています。一方、欧文フォントにはしばしばプロポーショナル数字(Proportional Figures)と等幅数字(Tabular Figures)が入っています。

日本語フォントのデフォルトの数字を(全角数字と区別するために)「プロポーショナル数字」と呼ぶこともありますが、日本語フォントにおけるデフォルトの数字は、たいていの場合、欧文フォントの用語法で言うと等幅数字(Tabular Figures)です。つまり、0〜9の字幅が(表組みにしたときに縦に揃うように)すべて同じにデザインされています。

そのようなわけで、以下、混乱を避けるためにOpenTypeフォントのフィーチャータグを使って、欧文フォントの用語法における等幅数字をtnum、プロポーショナル数字をpnumと書きます。

図は、金シャチフォント 姫。左がtnumであるデフォルトの数字、右がpnumです。日本語フォントは、pnumを含んでいないことが多いのですが、金シャチフォント 姫には両方入っています。

数字の話は、次回「ライニング数字とオールドスタイル数字(lnum/onum)」に続きます。

(mm)

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