フォントに含まれている数字の話をするとき、「プロポーショナル」または「等幅」という用語が、ちょっとややこしいかんじになりがちです。
一般的な日本語フォントには、デフォルトの数字「0123456789」のほかに全角数字「0123456789」が入っています。一方、欧文フォントにはしばしばプロポーショナル数字(Proportional Figures)と等幅数字(Tabular Figures)が入っています。
日本語フォントのデフォルトの数字を(全角数字と区別するために)「プロポーショナル数字」と呼ぶこともありますが、日本語フォントにおけるデフォルトの数字は、たいていの場合、欧文フォントの用語法で言うと等幅数字(Tabular Figures)です。つまり、0〜9の字幅が(表組みにしたときに縦に揃うように)すべて同じにデザインされています。
そのようなわけで、以下、混乱を避けるためにOpenTypeフォントのフィーチャータグを使って、欧文フォントの用語法における等幅数字をtnum、プロポーショナル数字をpnumと書きます。
図は、金シャチフォント 姫。左がtnumであるデフォルトの数字、右がpnumです。日本語フォントは、pnumを含んでいないことが多いのですが、金シャチフォント 姫には両方入っています。
数字の話は、次回「ライニング数字とオールドスタイル数字(lnum/onum)」に続きます。
(mm)
シリーズアーカイブ 和文組版 / フォントの組版機能
- フォントの組版機能17「ライニング数字とオールドスタイル数字(lnum/onum)」
- フォントの組版機能16「等幅数字とプロポーショナル数字(tnum/pnum)」
- フォントの組版機能15「エキスパート字形(expt)」
- フォントの組版機能14「任意の合字(dlig)その2」
- フォントの組版機能13「任意の合字(dlig)」
- フォントの組版機能12「欧文合字(liga)」
- フォントの組版機能11「JIS78字形(jp78)」
- フォントの組版機能10「分数の仲間(afrc/frac)」
- フォントの組版機能09「JIS90字形(jp90)」
- フォントの組版機能08「メトリクスカーニング」
- フォントの組版機能07「カーニングのいろいろ」
- フォントの組版機能06「プロポーショナルメトリクス」
- フォントの組版機能05「Adobeアプリの〈文字ツメ〉」
- フォントの組版機能04「どの詰め機能を使う?」
- フォントの組版機能03「詰め組みのしくみ」
- フォントの組版機能02「GPOSとGSUB」
- フォントの組版機能01「OpenTypeフィーチャーって何?」