フォントの組版機能11「JIS78字形(jp78)」

「強靱」「靱帯」などの語で使われる「靱」にはバリエーションが多く、字体おたく的には話が長くなりがちな例なのですが、ばっさり削って図には2つだけ並べました。

皆さん、なじみがあるのはおそらく左のほうではないでしょうか。右のほうは、一時期写植機の文字盤で使われていた形で、写植の時代には書籍でよく見かけました。この字体が、写植経由でJISの文字コード規格の1978年版に使用され、それから45年の歳月を経た今でも、OpenTypeフォントのグリフ置換機能によって召喚することが可能となっています。

実はこの右側の字体の「靱」はわたしのお気に入りで、いつか使ってみたいと思っているのですが、なかなかその機会が巡ってきません。このブログ記事がその機会だと言えないこともないですけど。

(mm)

シリーズアーカイブ 和文組版 / フォントの組版機能