フォントの組版機能01「OpenTypeフィーチャーって何?」

たとえば「にゃー」という文字列を横組みにしたときと縦組みにしたときでは、小書きの「ゃ」と音引き「ー」の形が違っています。当たり前と言えば当たり前の挙動なので、普段あまり意識されることはないかもしれませんが、これもOpenTypeフィーチャーが実現していることのひとつです。

OpenTypeフィーチャーは、文字を読みやすく、あるいは美しく並べるために、OpenTypeフォントが内蔵している情報です。それぞれの機能には「フィーチャータグ」と呼ばれる英数字4文字の名前がついています。先ほどの縦組みの例では「vert」が参照されています。

縦組みのテキストでは「vert」は自動的に適用されますが、詰め組みのように、ユーザーの意図にしたがった組み体裁を実現するためにも、OpenTypeフィーチャーは使われます。

今回、図で用いているのは金シャチフォント 姫です。このフォントでは「ゃー」などの組み合わせに対して、カスタムグリフを選択できるようになっています。金シャチフォント 姫では、このようなカスタムグリフを表示するために「スタイルセット1(ss01)」というOpenTypeフィーチャーを使っています。

このシリーズでは、フォントのなかに含まれている組版機能のあれこれについて、紹介していきたいと思います。

(mm)

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