漢字・ひらがな・カタカナのデザイン02「字面」

フォントの各グリフは「仮想ボディ」と呼ばれる四角い枠にデザインします。さらに和文グリフでは仮想ボディから一回り小さい枠「字面」を設定して、文字の大きさを揃える目安にします。この「字面」でも漢字と仮名で違いがあります。仮名は元々漢字の省略から成り立ったため画数が少めで内部の空間が広くなりやすく、漢字と同じ字面に合わせて作ると文字が大きく見えてしまいます。そのため、一般的には仮名の字面は漢字より小さく設定して、漢字仮名交じりで組んだ際に揃って見えるようにします。

字面の設定はフォントが目指すイメージによっても変わります。たとえばタイププロジェクトのフォントで比べると、TPスカイクラシックの仮名は全体的に字面が小さめで漢字との差がついています。TPスカイモダンBlkはその反対で、全体的に字面が大きく漢字と仮名の差はあまりありません。

文字の大きさを揃えたり組版のイメージに影響したりするという点で、和文の字面は欧文のアセンダーライン・ミーンライン・ディセンダーラインと似たような役目を担っています。

(担当T)

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