Webフォントの利用には、様々な魅力や利点があります。まず、印象の統制とブランドの向上です。前回の記事でも軽く触れたとおり、日本ではまだ Web フォントの利用は多いと言えませんが、ブランドや印象が重要な場面に限って言えば、使われる場面がとても多くなりました。これは、国内の Web デザイン参考サイトなどを見るとよく現れていることが分かるかと思います。
コーポレートサイト、ランディングページなど、ブランドを表現する、印象的に情報を伝えることが必要な状況で、Web フォントは効果的な手段となってくれるでしょう。タイププロジェクトでは、コーポレートフォント事例も数多く手掛けていますが、ほとんどのケースで Web フォントの利用があります。
また、Web フォントには、閲覧者の環境によらず同じフォントで表示できる、という利点があります。これにより、ページの印象の統一はもちろんのこと、フォントの差異によるレイアウトの崩れにも強くなるという、制作上の利点もあります。また、Web フォントを使わない場合は、装飾的な文字は画像で挿入することになりますが、解像度・レイアウト毎に画像を用意する必要や、文言の変更があると画像を再作成する必要がありましたが、そのような工数を大幅に削減できます。
そして近年、Web ページは「どんな人でも利用しやすい」というアクセシビリティの観点がしだいに注目されるようになりました。前述した画像化した文字の場合、実装方法によっては文字情報が抜け落ちてしまい、画像が読み込めない場合に情報がわからなくなったり、視覚障害者がスクリーンリーダーで情報を読むことができなくなるといった、アクセシビリティを損なう場面がありました。Web フォントは文字を文字情報のまま残すことができるため、装飾しつつアクセシビリティを保つことができるようになります。
(LN)
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