コピペできない“木”04「太さ」

文字の一体感を出すのに太さの調整は欠かせません。中心に来る「木」は横画の調整が多めで、一文字全体の横画の本数や強く見せるべき筆画を意識しながら太さを合わせていきます。逆に、木偏など縦長の「木」で様々な幅に対応するため調整するのは主に縦画の太さです。ハライについては、横に長いハライなら横画を目安に、縦に長いハライなら縦画を目安にしていますが、画数の多い漢字ではあえて細めにして混雑を回避することもあります。「木」は線が集まる部分の黒味が強くなりやすいため、他の要素よりも筆画を細めにしたりして一文字全体の黒味に合わせるのもよくある調整です。

ここまで「木」が入る漢字の制作について紹介しました。他の部首に応用できるポイントもありましたが漢字の構成要素にはそれぞれ特有の注意点もあるので、フォントで一通りのグリフを作るためには他にも様々な調整が行われています。

(担当T)

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