
タイププロジェクトのデザイナー達に「書体デザインをするときに最初に作るグリフ」は何かを聞いてみました。
和文デザイナーの回答の中で特定のグリフとして多く挙げられたのは「あ」でした。 また、その次に多かったのが「書体の雰囲気にあったグリフ」という回答です。 やはり最初に作る文字はその後に続く文字のデザインの基準にもなるので、書体全体のイメージを想像しやすいグリフから作業を始める人が多いのではないでしょうか。

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「あ」、もしくはその書体に合った言葉に使う文字:
「あ」はその書体のもつ雰囲気を考えるのに一番最初に書いてしまいます。
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「東、国、愛」「あ、た、な」:
あまり制作経験数はありませんが、ひらがなか漢字から作っています。
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書体によって変わりますが、早い段階で作ることが多いのは「あ」:
書体によっては漢字から入る場合も少なくありません。
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資料に必要な文字・その書体っぽい単語:
タイププロジェクトの作業では資料に必要な文字からです。個人で作るときはその書体っぽい単語からが多いです。それで雰囲気が出るとモチベーションが上がります。
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まずイメージにあった単語を決めて始めるので、特に決まってないです。
欧文デザイナーの回答には「adhesion」が共通して出てきました。
欧文デザインのワークショップや授業などで推奨されることの多いこの8字は、その他のグリフに応用できる要素がバランス良く含まれている文字列です。 欧文制作中のデザインチェック用に使用するテキストを生成できる「adhesiontext」というウェブサイトもあります。

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a, n, d:
大学時代の授業で「adhesion」から作ると良いと習って以降それらの文字から始めていますが、さっとスケッチなどをする際に8文字は多いので、特に書体の特徴を表しやすい「a」その他のグリフに応用しやすいエレメントのある「n」「d」の3文字から入ることが多いです。
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a:
欧文でAdhesion という作り始めの文を私は間違えてadhesion でつくってしまっていて、それが長年の癖になってしまった.
(XYZ)
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