フォントを作る人に聞いてみた その4:好きなカタカナグリフ

タイププロジェクトのスタッフ達に「好きなカタカナグリフ」は何かを聞いた回答を紹介します。

ア:
直線と曲線のバランス

ム:
きゅっと締まったような形が好きです。

ス、ネ:
築地体5号やイワタ明朝オールドの潰れていて、左ハライが長く鋭い「ス、ネ」はカッコいいから。

タ:
鋭いかんじの形。

ヱ:
この一文字だけで時代感が出せる強烈さが良いと思います。

上記のようにカタカナ特有の形状の鋭さやカッコよさを理由に挙げているものがある一方で、以下のような「あまり好きではない、こだわりはない」と言った回答もいくつかありました。

ア、ル:
カタカナは、そもそも他のグリフに比べて、正方形だと字面空間における形が有機的でないと感じています。そのためか、バランスも魅力も取りづらいので、見る側も作る側もあまり好きではありません。それでもアルの二文字だけは安定感があり許せる、というグリフです。

ア:
カタカナは全体的にかたくて無機質な印象があるのであまり好みではありませんが、あえて選ぶとしたら曲線と直線がバランス良く使われている「ア」です。

ア:
とくに思い当たりませんが、あえて選ぶとすればこの字でしょうか。

ス:
あまり拘りがあるわけではありませんが、払いを気持ちよく書けるから?

「好きなグリフ」を聞くのは漢字とひらがなに続いて3回目ですが、今回の回答からはまた少し違った印象を受けました。 回答内にもあるようにカタカナはあまり有機的ではなくシンプルな形状なので、漢字やひらがなに比べてあまり思い入れがない、という人もいるようです。

そんな中でも複数回答のあったのは「ア」でした。カタカナの中でも特にバランスが良く見える印象があるグリフなのかもしれません。

(XYZ)

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